【男主】俺の区域に入ってくんな 3

☆区域135☆ ページ44

＿＿＿＿現在 Aside＿＿＿


ついつい昔のことを思い出してしまった。



…昔のこと思い出すって、ジジイみたいで何かやだ。



俺はりまに電話を掛けた。コールが四回目の時に出た。



「もしも〜し」



電話から聴こえてくるのは、耳をくすぐるような声。



「あ、りま寝てた？」



「ううん〜！ぼーっとしてたよ。珍しいね、こんな時間にAから電話掛けてくるなんて」



「ん、メール来てたから返信、面倒くさくて電話にした」



「あははっ！わざわざ、ありがとーっ。メール、見たよね？」



「ああ。今日、俺らが初めて会った日ってことでしょ？」



「そっ、何かわかんないけど…勝手に手が動いて気付いたらメール送ってたんだぁー」



勝手に手が動くって変だよねー、と笑っているりま。



「…A、大好き」



小さな声で確かに、そう言った。



「いきなり、どーした、」



「ふふふっ、今ね気分いいんだーっ。何か、幸せー。」



声がとろんとしてる。…まさか、コイツ酔ってるんじゃないだろーな。



「ホント好きっ。大好きだよ」



さすがの俺も、好きとかたくさん言われたら…照れるっつーか。



でも、そこから何も言わなくなった。無言が続いている。



俺も今日は、素直な気持ちを言おうと思った。



「…俺も、りまが好…」



「スー、…スー…」




おい。



寝たな。きっと気持ち良さそうに寝てるんだろうな。



たっく、人がせっかく…、



まぁいいや。俺も寝よ。



ケータイを閉じ、部屋の電気を消した。

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