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僕が、彼女とは友達でいようと思ったきっかけがある。
高2の夏、何の気なしに、
いつも通り彼女の病室まで足を運んだ。
中から話し声が聞こえて、
耳を澄ますと、大倉とA。
大「俺は…」
『なんやねん！！』
少し、いや、だいぶ荒々しいAの声。
『…Aは邪魔やんな』
大「ちが、邪魔やない…」
『ほなキスして』
僕の心臓が音を立てて、
聞きたくない、見たくない、そう思った。
しかし気持ちとは裏腹に動く僕の手。
病室のドアを少し開けた。
『……もう1回』
大「ん……」
あぁ、恋ってしんどいなあって思ってん。
そこから走って逃げ出して、
病院の裏庭でボーーっと座ったの、
今でもよく覚えてる笑。
大「まる」
「…おぉ」
なんて反応したらええかわからんかった。
大「……俺とAは幼馴染で」
「…うん、知ってる」
付き合ったって聞かされるんかな？
惚気られるんかな？
大「……ずっと、両想いやねん」
「……そっか」
俺に言ってどないすんねんって、
やっぱりひねくれてたかなぁ。
「付き合わへんの？」
大「…お互い、邪魔になるからやめようって」
「…え？」
大「両想いってわかった時、そう決めてん」
なにそれ。
めっちゃおもんない。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年6月19日 20時
