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やっと採血が安定してできるようになった頃。
いつもと変わらず登校して、
授業を受けた。
隣は変わらず笹生さん。
でも最近なんだか不機嫌。
ずーーっと足を組んで、
ガムを噛みながらスマホを見てる。
私またなんかしちゃったかな。
いや、してないはず。
だって関わってないんだし…。
でも知らないうちにってことも…。
なんて深く考えていると、
講義が終わっていた。
丸「Aちゃーん、お昼行こー」
『あ、うん』
今日は大倉くん居ないのかな…？
女「てか、大倉くんと別れたってほんまなん？？」
笹「あ、ほんまやで〜」
そんな声が聞こえて、私の動きが止まる。
女「えー、なんで別れたん、もったいない」
笹「なんかなー、浮気されてん〜。せやのに向こう変な噂流してるらしくて〜」
女「はー？最低やん」
笹「せやろー？」
女「やっぱ顔だけなんやな〜」
『大倉くんは！！』
笹生さん達がこっちを睨んできて、
自分がやった事の重大さに気付く。
やばい、視線で殺される。
『…ぉ、大倉くんは』
丸「Aちゃん」
笹「なに？」
『…大倉くんは、そんな人じゃないよ』
そう言ったとき、教室に入ってきた人と目が合った。
大倉くんだ。
大きく目を開いて驚いてる。
1番びっくりしてるのは私だよ。
丸「Aちゃん、行こっ」
丸山くんが慌てて手を引っ張ってくれて、
私はやっとあの空間から抜け出せた。
丸「…Aちゃん」
『…私、なにしてんだろう』
丸「…平気？」
丸山くんが下から私の顔を覗き込んだ。
『浮かないように、嫌われないように、必死に過ごしてきたのに…』
丸「………まだ好きなんやね」
『……あんなの聞いたら許せない…(泣)』
必死に堪えてたものが溢れ出す。
丸「俺は、2人の力になりたいと思ってるよ。」
そう言ってくれた丸山くんの胸で、
私は子供のように泣きじゃくった。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年5月23日 2時
