初恋は大人味 (ページ10)

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Aside

『ん…今何時…？』

目が覚めるともう少しで日付が変わる頃。

PRRRRRRRRR…

『え、電話？』

この時間の電話って怖いなー。

【すぅくん】

なんでこの時間に電話？

しかもすぅくん？

『…もしもし』

渋《んー…》

『すぅくん？』

渋《今なにしてるん…？》

『帰ってきてそのまま寝ちゃって…今起きたところ』

すぅくんのふにゃふにゃとした声。

渋《…今から会おか》

『えっ…』

渋《会おう…？》

『どうしたん？』

渋《家の前まで迎えいくから…こっそり抜けて》

私が質問する間も無く電話が切られ、

仕方なく準備するしか無かった。

ｶﾞﾁｬ…

『すぅくん』

渋「よっ」

すぐ近くの街灯で顔が照らされ、

すぅくんの顔が少し赤いのがよくわかる。

渋「アイス買ってきた」

『チョコの？』

渋「チョコチップ」

『やったー。好きなやつ』

そのまま2人で歩き出して、

いつもの公園に入った。

『なにしてたの？』

渋「飲み行ってた…」

私が帰る時はシラフだから送らないって言ったくせに。

『…なんで呼んだん？』

渋「……なんでやろな」

バニラアイスを1口口に含んで、

すぅくんはまっすぐ前を向いた。

渋「……会いたかったから…？」

『なんで疑問形なん…笑』

渋「さぁな…」

『ん…』

蝉、うるさいな。

『ん…アイス溶けちゃう…』

渋「ええから…」

こんな、こんな風にされたら、

怒ってた気持ちなんて忘れてまうやろ。

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