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大倉side
田「おーーーくらっ」
「おぉ」
深夜、近所の公園で田中に会う。
「渋谷さんとのクリスマスはどーやった？」
田「んー？いつも通りやで。特に何も」
ポッケから小銭を出した田中が自販で飲み物を買う。
田「ほい」
「ん、ありがとう」
田「で？どやったん？」
「泣かせてもうた」
田「はー？なにしてん。」
ありえへんわー。って言う田中。
随分他人事やな。
「フってください言うて」
田「まってまってまって、フってくださいって言うたん？」
「おん。」
田「クリスマス？」
「おん。」
田「イルミネーションのど真ん中？」
「せやで？」
田「大倉くん大倉くん大倉くん…ほんまに君は…」
肩に手をぽんと乗せられる。
田「すごいな。」
「なにがや。」
田「周りは告白やらプロポーズやら幸せムードムンムンの中で1人だけそれやろ？十分頑張ったやん」
「………辛いって」
田「…？」
「…辛いって言ってもうた」
あんなこと言いたくて言ったわけやない。
けど正直、本音に近いのかもしれへん。
「今のAちゃんと一緒におる方が辛いって」
田「…」
「…そしたら泣いてもうて…焦って抱きしめそうになってすぐやめた…」
あそこで抱きしめとったら決心が鈍ってた。
田「まぁよくやったではないか。大倉くん。」
「ありがとう田中くん。」
これで俺の寒い寒いクリスマスが終わった。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年2月15日 3時
