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『…大倉くん?』


なんで?


大倉くんの気持ちってこと?


大「フってほしい」

『なんで、私このままやったら大倉くんに迷惑かけっぱなし…』

大「迷惑なんて1回も思ったことないで?」


クリスマスはこんなに寒かっただろうか。


『でも…私大倉くんとこれからも色んな場所行って…もっともっと大倉くんのこと知りたいって思うし…!』

大「そう思ってくれてるのは嬉しいで。」


なのに、なんでそんな顔するん?


『このままじゃ大倉くんに辛い思いばっかりさせてまうし…』

大「俺は今のAちゃんと一緒におる方が辛いで」

『えっ…』


私はいつの間にか人を傷付けていたらしい。


最低人間が。


大「俺が好きなAちゃんはずっとここにおるんよ。けど、Aちゃんの事を知れば知るほどそこに俺はおらん。」


あんなに助けてくれたのに。


私は大倉くんの気持ちなんて1mmもわかってなかった。


大「好きなんやろ…?……あの人が」

『…(泣)』


長年の片想いから手を引いて、

両手を広げて待ってくれていた人の所へ向かっている気になってた。


けど私はずっと、その場で足踏みしてただけやった。


『お、くらく……(泣)』

大「泣かんとって。」


一瞬。


一瞬だけ大倉くんの腕が動いたのが見えた。


『私……大倉くんとは付き合われへん……(泣)』

大「うん…ありがとう…」


クリスマスの日の夜、

私たちは1度も互いに触れることなく家路へ着いた。



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作者名:ゆりかご | 作成日時:2021年2月15日 3時

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