君をこの手で包みたい.2 (ページ8)

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1年は早い事で、もう12月の中頃。

『クリスマスさ』

大「うん」

『その…』

大「ケーキやろ？なに食べる？」

あ、一緒にいるのは前提なんだ。

よかった。

大「俺甘いのあんま好きちゃうしなー。」

『そうなの？』

大「んー。あんま得意ではないなぁ。嫌いではないけど」

そうなんだ、覚えておこう。

『あ、そしたらさ、あの駅前のケーキ屋さんは？』

大「あの高いとこ？」

『うん。ケーキなのにあんまり甘くなくって苦手な人でも食べやすいんだって』

大「えーほんまー？どーしよー。それにしよっか」

『うん！』

楽しみだな～。

章ちゃんに自慢しよっ。

大「スマホ鳴ってんで」

『ほんとだ、ありがと』

【章ちゃん】

わ、噂をすれば。

『もしもーし』

安《もしもし僕やけど～》

『うんどうしたー？』

章ちゃんの話を聞きながら作業を進める。

『え、ほんとに？！』

安《ほんまー。笑ってもうたわ～笑》

くだらない事でケラケラ笑っていると、

いつの間にか後ろに人影が。

大「安田くーん。おはよう」

安《わ、大倉くんやー。一緒やったん？》

『うん！昨日の夜ご飯食べに行って、休みだし泊まろーって』

安《ふーん´`*》

絶対ニヤニヤしてるなぁ。

大「安田くんは彼女作らんの？」

安《僕？出来ひんよ～。全然モテへんし。》

よく言うわ。

この前もクラスで可愛いって評判の子振ってたくせに。

『そうだね～^^*』

安《あ、ほなお邪魔したら悪いし、切るわ》

『平気平気！ばいばーい』

安《ばいばーい》

電話の切れる音がして、

大倉くんの顔を見る。

大「ほんま…好きやな」

『うん…？』

大「…俺のこと嫉妬さすの…」

『好きじゃない』

目うるうるだ。可愛い。

大「好きって言って」

『好きだよ、ん…』

大「…嫌い」

そう言って私に触れる大倉くんの手が

"好き"、そう言ってる気がした。

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