君をこの手で包みたい.2 (ページ12)

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新学期になっても変わらず。

大倉くんは私の家に来るし、

章ちゃんとも普通に遊ぶし、

丸山くんと亮ちゃんとも友達してる。

安「今日図書館デート？」

『うんっ。最後の成績見られて呆れられちゃって…笑』

安「ははっ笑。学年トップの彼氏を持つと大変やなあ笑」

久しぶりに大倉くんと待ち合わせして図書館へ行く。

今でも成績を見られた時の顔は忘れられない。

～～～～～

大「なぁ、成績どーやった？」

『え？あ、んー、どうだったっけなぁ』

大「見てええ？」

『あ！ちょっと！』

大「………ほんまに？」

～～～～～

『空きなのにごめんね』

大「ええよ」

今はなんとか手を繋いで歩けてる。

『なんかご褒美欲しいなー』

大「ご褒美って…」

あれやこれやと言葉を選んでくれてるんだろうな。

『いいよ、前みたいにズバッと言ってくれて…』

大「……バカに勉強教えてやってるんやから、ご褒美なんてあるわけないやろ？」

『うん、そうだよね、あはは…』

大倉くんは元々こーゆー人だったもんな。

今は変わりすぎたくらい。

大「あ、待って、電話鳴ってる」

『うん』

繋がれた手が離されて、

大倉くんが電話に出る。

大「もしもし」

話しながら道の端に寄って、

反対の手で私の手を握る。

大「え？今？…えー…」

誰だろう。

大「……わかった、行く」

『…？大倉くん？』

電話を切った大倉くんが手を離し、

真っ直ぐこっちを見る。

大「麗奈のとこ行ってくる」

『…なんかあったの？』

大「あいつ、ここんとこ体調悪いみたいやねん」

ほんとかよ、と疑ってしまう私は相当ひねくれてる。

こんな時、心からの笑顔で見送れる素敵な女になりたかった。

『大倉くん…』

大「ごめん、また埋め合わせするから」

そう言って大倉くんは反対方向に歩いて行った。

今思えばこの頃から私たちはすれ違っていたのかもしれない。

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