54 ページ4
.
Aside
『…なんで一般にいたんだろう…しかもアリーナ…』
原「いいから、早く帰る準備して」
考えても思いつかない。
『……これで最後なのかな』
原「早く、行くよ」
原田さんに急かされて控え室を出る。
原「あ！」
『ん？』
裏口から出てすぐ、原田さんが大きな声をあげた。
原「忘れてた！ちょっと待ってて！」
『えー。早くねー。』
原田さんが急いでどこかに走って行って、
私は駐車場に向かってゆっくり歩き始めた。
『……？』
すると、どこか見覚えのある黒い車があった。
見にくい若干死角に隠れた場所に停めてある車。
『うそ…』
なんで、どうして、そんな単純な言葉しか出てこない。
安「…お疲れ様」
自分で呼んどいて、居たら居たでびっくりしてる。
ﾋﾟｺﾝｯ
原〈明日OFFだから。〉
ただ一言、そう送られてきた。
安「…行こか」
『なんで……』
安「…なにが？」
『…なんで…なんで居るの…』
安「Aが呼んだんやろ？」
『違くて…！…なんで帰らなかったの…？』
私はただ、夢を叶えたよって報告をしたくて。
いや、でも…
本心を言えば会いたかったのかもしれない。
安「目立つから、行こ」
『…どこに？』
安「俺の家」
車に乗って、
しょうちゃんの家に向かう。
その間、私たちの間に会話はなくて、
車の走る音だけが響いていた。
安「ん。行こ」
地下の駐車場に停めて、2人でマンションに入る。
『おじゃまします…』
安「はーい」
なにこれ。
『…全部そのままじゃん』
安「…Aが戻ってくるの…待ってた…」
ソファーに座るしょうちゃん。
その横に座る私。
『…あの…』
安「ライブ、よかったで」
『…ありがとう』
なにを、なにから話せばいいんだろう。
そう思っていると、しょうちゃんが口を開いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年1月21日 21時
