片恋ラビリンス2

60.仲間だから。 ページ24

【Aside】





私は犯人がもう一つのポケットに拳銃が入っていることを知っている。



必ず出すとは思っていたけど、
それを言ったら、みんなは助からない。



だから、もし犯人がもう一つの拳銃を出したら、
みんなは私が助けようって心に決めた。









やっぱり犯人は拳銃を出した。



私の角度からしか見えなくて、みんな気づいていなかった。



犯人に近づく、上杉くんも･････････





上杉くんが犯人の目の前に立つ。



犯人は、笑った。ほんのすこしだけ。


口角だけ上げて。





犯人は、上杉くんを撃つつもりだ。



ダメ。やめて。



私のせいで、みんなを傷つけたくない。



みんなから笑顔を消したくない。



普段通りの生活を、毎日を過ごしてほしい。








カチャ。



犯人が、引き金を引こうとする。




みんなの顔がこわばる。



上杉くんは、動けなくなっていた。








･･････私の、大切な、仲間。



仲間だから。





A「絶対助ける。」







私は、飛び出していった。

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