呑み ページ3
私、三倉Aは所謂声優をしている芸能人だ。
だから普段の行動には気をつけなきゃいけない。
そもそももう35だし。
…だけど。
「っはー！！うんま…」
この時だけは誰にも邪魔されたくない！
大好きなお酒を飲む時だけは、だーれにも邪魔させない。
あ、でも例外が一人いる。
「はは、いい飲みっぷり」
目の前にいる彼、良平さん。
私の先輩で、かつ飲み仲間。
このいい声聞いてるとお酒が進むんだよねぇ…。
飲め飲めー、って面白がる良平さんを横目に、おつまみの枝豆をプチプチと出して食べる。
ココは私の家で、良平さんがわざわざ家に来てくれておつまみを作ってくれた。
塩茹でした枝豆という質素なつまみは私が作ったものだけど…。
若鶏の皮の甘辛煮とか、アボカドサラダとか、それはまあ色々とオシャレなおつまみが目の前にある。
さすが良平さん、って感じ。
ハイボールをグビっ、と飲むと日々のストレスが吹き飛ぶような感覚に陥った。
「あんま飲みすぎんなよ？」
「へへ、分かってますよ」
「本当かねぇ…」
「ほんとほんと！」
信じてくれていいのよー？とかふざけて言ってみるとデコピンをくらった。
地味に痛い…。
ぶーぶーと口を尖らせたら頬を両手で掴まれる。
隣同士で座っているから、手はすぐに届くのだ。
「にゃんれすか」
「ブッ！！っハハ！なんだその声」
「りょーへーさんのしぇいじゃん…」
「ハハッ、かもなぁ？」
「っん！へへ、そーそー」
頬を掴まれたまま、ちゅ、と唇同士が触れ合う。
良平さんは、私の先輩でかつ飲み仲間。
かつ、私の恋人。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 321人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男性声優」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月28日 23時
