31 怒る？逃げる…また怒る ページ33
*
「……邪魔をするものは裁きを下すのみ」
男はただそう言って、再び俺の身体を破壊しようと手を伸ばす。
ーーだが、流石に二度破壊されるのはな。
「逃げるぞ」
エドとアルの手を掴み、一気に加速する。
「わぁぁあ！？」
「逃げるんかよ！！」
「だってあれ痛かったし」
「正しい選択な気がするけどリヒトの場合、逃げるのは何か違う気がする！！」
「もう一回あれ受けろって？内臓が破裂ってものすごい痛いんだぞ、エド」
男は追いかけてきている。なかなか足が速い。
「リヒト！その路地に！」
「ん」
路地に入ると、アルが錬成陣を書いて壁を錬成。なるほど、と思ったが破壊された。
「やはりダメか」
さらに逃げる方向も壁の破壊で塞がれ、追い詰められる。……さて、どうしようかな。
「……お前、名前は？」
「名など捨てた」
「なんでオレたちを狙う？」
「貴様ら『創る者』がいれば『壊す者』もいるということだ」
創る者というのは、つまりエドたちのような錬金術師か？だが壊す者といっても、お前も錬金術を使っているのに。
「やるしかねえ……ってか」
「エド、戦う必要は無いだろう。俺が」
「あいつが狙ってんのはオレだ」
……おいそういうこと言って戦う全責任を負おうとすると、俺怒るぞ。
「だからって、俺が戦わない理由にはならないよ」
勿論、奴を殺すつもりは無い。でも、俺は友達を殺されて怒っているから、少しぐらい痛い目には遭ってほしい。
それでニーナとアレキサンダーが喜ぶわけでは無いけれど。
奴に怒るのは、俺のエゴだけれど。
二度と友達を失わないようにするために、俺ができることは何がある？
人を殺さず友達を守る……俺は『人間として、人間の可能範囲で』できることを増やさなくちゃならないんだ。
「エド、アル。少しだけ2人で頑張ってくれ」
「何する気だよ」
「錬金術師になる」
「はぁ！？」
「おい、来るぞ」
そんな分単位でできるもんじゃーーと言いかけたのを抑えて、相手と対峙してもらう。
「3分くれ」
「……できた」
少しだけ目を閉じて、開いた時に目に映ったのは、膝をついているエドの姿と腹のあたりをえぐられたアルの姿。
「神に祈る間をやろう」
「あいにくだけど祈りたい神サマがいないんでね」
……。
「あんたが狙ってるのはオレだけか？それなら約束しろ。弟とリヒトには手をーー」
……おい！！
「死のうとすんなバカエドワード！！！」
*
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
