23 機関室？奪還奪還 ページ25
*
【no side】
「バルド。後部車両からの連絡が途絶えた」
先頭車両に不穏な空気が流れた。ここには列車をハイジャックした団のリーダーであるバルドという名の男がいる。
「……誰か乗ってやがる」
「バカな！」
その言葉を部下が否定する。護衛も全員殺し、乗客が助けを呼べる状況でも無い。仲間が裏切るなんてことも、結束が強い自分たちではありえないのだ。
「ふん、所詮クズの寄せ集めだな」
そう吐いたのは乗客の1人だった。アメストリス軍の将軍であり、名をハクロという。
「不測の事態が起こるとすぐに崩れる。そうそう貴様らの思い通りにはならんということだ。今のうちに降伏することを考えておけ、下衆共め」
ド チュン
「……っうああああ！！」
銃声の直後、ハクロの叫び声が車内に響く。銃弾に耳をえぐられ、真っ赤な血がボタボタ床に垂れる。
「次は尻の穴増やすぞ」
そう言ったバルドの左腕は、機械鎧の一種だった。マシンガンが搭載されたものだ。
その恐ろしさに、乗客が声にならない悲鳴を上げ、幼い子供達は嗚咽を漏らして泣き出した。
「……ここか」
その頃リヒトは、ぜーはーと息を吐きながらやっとのことで先頭の機関室の窓にへばりついていた。
あまりの風圧に飛ばされること十数回。やっとのことでたどり着いた機関室には敵が2人。
「はじめまして」
「……あ！？」
ひょいっと窓に顔を突っ込んで、リヒトは言ってひらひらと手を振る。
「なんだ、てめぇ！」
「俺はリヒトだ。ところで聞きたいことがあるんだがーー」
ゴパン！
「このやろ」
「このやろ」
べこ、どか、べし
「……痛そう」
名乗り出したリヒトだったが、機関室を操作していた男たちによって敵の意識は閉ざされた。なかなかの胆力を持つ男たちである。
「お前みたいなちっこいやつが、よくここまで来たなあ」
白髪の方に話しかけられ、リヒトは微笑んだ。
「まぁな。もうすこしで駅か？」
「ああ。あと15分ぐらいで着けるぜ」
「わかった。じゃあそれまでには終わらせる」
窓から飛び出して、あいつらから話は聞けるのだろうかと心配しつつ風圧に耐える。
屋根に登ると、
「いたぜ、子猫ちゃん」
「子猫？俺は人間のリヒト」
言い終わる前に銃を乱射され、リヒトは顔をしかめた。
「俺を舐めるなよ」
銃程度でやられるかーーと、その言葉通り。
「なんで、死なないんだお前！！」
「俺は死なない」
「……〜〜ッ！！」
男は列車の中に慌てて入っていったのを見とめ、リヒトは続いて飛び込んだ。
*
24 さてさて？やろうか……って！？→←２２ 荒事？慣れてないです怖いです(棒)
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
