２２ 荒事？慣れてないです怖いです(棒) ページ24
*
「あ？何だガキ」
「……ガキガキ言われるのは嬉しいことだが、こうも何度も同じセリフを言われると飽きるな」
それに、この子供の姿だと相手が襲ってきてくれない。俺は自分から仕掛けるのは苦手だ。力加減ができなくて殺してしまいそうだから。
「とりあえず、」
「う、ぉあ！？」
「投げよう」
相手の懐に入り込み、足を払って、ぽい。我ながら上手いぞ。
それから、
「小さいくせに、馬鹿力だな……ッぎゃーー！？」
「おばけ」
「ちょ、まっ！！」
手のひらに大きな目を作って驚かせてみる。うむ、驚いてる人間を見るのは好きだぞ。今回は俺の能力を乱用する。面白いから。
「××××……おいで！」
「ぎゃッ、ぁあああーー！？」
次に呼んだのは、小さな蜘蛛の大群。こういう荷物を積んだところならいると思ったんだ。
「何で人を殺すんだ？人質を取って何をする？」
「ひ……ぃい」
「ああ、殺す気も酷く傷付ける気も無いから安心してくれ。俺はただ純粋に疑問なだけなんだ」
「蜘蛛！取って！いやだ！」
「蜘蛛怖いのか？」
「ぎゃぁぁあ！だからやめろて！！」
蜘蛛たちを身体に絡ませ、壁際にへたり込んだ男に問うが、2人とも答えない。震えるばかり。
「……むう。それならもう少し先に行こう。リーダーはこの先か？」
がくがくと頷く人間たちに礼を言って立ち上がると、設置されていた電話機、というものが鳴り出した。
何しろ使うのは初めてなので緊張する。恐る恐る取ると、聞こえたのはアルフォンスの声。
『リヒト？』
「アルフォンスの声が聞こえる」
『リヒトの声も聞こえるよ。良かった、無事そうで……あのね、先に機関室を奪還してもらえるかな？』
「きかんしつ？」
『うん。この列車を動かしてる場所。一番前の車両だから、列車の上に登って行くといいかも』
「わかった。一番前だな？」
きかんしつ、という場所の奪還。列車を動かすというからにはかなり大事な場所だろう。
「じゃあ行くか。ーーアウラ」
先日名前を付けたばかりの合成獣ーーアウラを呼ぶ。服の中からするりと飛び出て、不思議な色の瞳で俺をじっと見る。
「俺は上から行くから、アウラは下から。人間を殺したり酷く傷つけたりしちゃダメだぞ。誰も殺さず、敵は動かないようにして。いいな？」
ーー還？
「……ああ、元の姿に戻ってもいい。その方がやりやすいだろ？」
ーー御意
バキバキ、とアウラが姿を変えるのを背に、俺は窓から外へと飛び出した。
*
23 機関室？奪還奪還→←２１ ハイジャック？何でどうして？
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
