33 スカー？逃した…… ページ35
*
「むぅん！！」
「よ」
アレックスが飛ばす瓦礫を避けつつ、男に足払いをかける。……にしても周りの家の壁とか破壊してるが、これは直した方がいいのか？まあ一応直しておこう。
アレックスはどんどん間合いを詰め、男ーー『スカー』と呼ばれているらしいーーを追い詰める。
だが、このまま攻めるのは如何なものか。
「アレックス、下がれ」
「……！」
やはり、スカーはアレックスの腹を狙っていた。
アレックスが引いた直後、隙間から俺がスカーの腕を掴んでねじり上げる。
振りほどこうとしたスカーの勢いを借りて体に絡みつき、地面に押し倒す。
スカーのかけていたサングラスがとれて、遠くに落ちた。
その素顔を見たロイたちがはっと目を見開く。
「褐色の肌に赤目の……イシュヴァールの民か！」
いしゅ、ばーる？
「……やはりこの人数を相手では分が悪い」
「おっと！この包囲とその状況で逃れられると思っているのかね？」
俺たちが戦っている間に、ロイたちがスカーを包囲していた。俺がスカーを拘束しているし、逃げられることはないーーと思ったが、
スカーが地面に触れた。
「あ」
ゴバァ
地面に亀裂が入り、大穴が開く。
「待て……あ、ゔぁああ！！」
せめて掴んでおこうと足掻いたが、即座に体全体を破壊された。
「リヒト！」
スカーの姿が見えなくなる。……くそ。
(みんなが俺を見ていないうちに体を作り直さないと)
×××と呟いて何とか人間の目を避けながら破壊された体を作り直す。
「っ！」
「大丈夫！？」
崩れた淵に登ると、リザが駆け寄ってくれた。
「あいつ……捕まえられなかった……」
「……そうね」
助け起こしてくれるのに甘えながら、ため息をつく。それは彼らも同じようだ。
「すまない、包囲するだけの時間を取ってもらったのに」
ロイが言う。俺は首を振り、アレックスも、
「時間かせぎどころか、こっちが殺られぬようにするのが精一杯で……」
と言った。
「ところで、リヒト殿は大丈夫か？我輩が足手まといだったかもしれん、申し訳ない」
「俺は大丈夫。面白かったし」
「そうか。……というよりだな！一般人が！それも子供が！このような場所にいるでない！！」
「お、おう」
「どんなに強くても子供は子供！戦いの場に身を置くな！！」
「俺、子供じゃないんだけどな」
この場にいる誰よりも年上なんだけど、誰に話しても笑われる。しょぼん。
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
