１３ 汽車？誰もいない ページ14
*
「♪」
膝に座って眠る合成獣を撫でながら、オレは上機嫌に窓の外を覗く。
アル「……見事にすっからかんだね」
エド「噂には聞いてたけど、これ程とは……」
次に向かうのは、炭鉱という所らしい。町の名前は、ユースウェルだったか。
アル「それで、合成獣はそうなったんだね」
「半猫型。これが一番楽だそうだ」
ぱち、と開いた瞳は濃い金色。光の向きが変わるたびに不思議な虹彩を放つのは、おそらく俺の力を貸した影響だろう。
身体を小さくして、元の分の質量は合成獣に付けたネックレス……首輪の石の中に封じ込めた。良かった、俺の力で苦しそうなことにはならなくて。
エド「この鱗の尻尾とかはどーすんだよ」
「こういう生き物は存在するから、大丈夫だろう。それはかなり大きいがな」
エド「いねぇよ！」
「いないのか？それなら大陸の方だけにいるのかな。わからないが、こいつに危害は及ばさせない。俺の友達になったから」
低く鳴いた合成獣を持ち上げて、額同士を擦り付ける。利口な奴だ、俺のことをもう理解して、友達ということもわかってくれている。
アル「名前はどうするの？」
「名前？人間以外の生命体にも付けるものなのか？」
アル「そう、だね。ペットとかには」
「ほう。なるほど」
どんな名前が良いかなぁ……。
エド「……着いた。ほら、出るぞアル、リヒト」
「歩きながら考える」
ぴょん、と頭に飛び乗ってきた合成獣をそのままに、俺たちは汽車を降りた。
「静かだな」
エド「炭鉱っていうと、もう少し活気のあるもんだと思ってたけど……」
アル「みなさんお疲れっぽい……」
ゴン
「痛っ」
後頭部に何かが直撃。ぶつかったのは木材、それを持っていたのは少年。
少年「お！！何？観光？どこから来たの？メシは？宿は決まってる？」
「え、え、え？」
少年「親父！客だ！」
「へ！？」
エド「人の話聞けよ！！」
怒涛の勢い。びっくりした。
親父「あー？なんだって、カヤル」
少年の名前がカヤルということはわかった。
カヤル「客！金ヅル！」
「金づる？」
親父「おう！」
そのままカヤルという少年に引きずられ、店のようなところに入った。一体、何なんだ。
親父「いやホコリっぽくてすまねぇな。炭鉱の給料が少ないんで、店と二足のワラジって訳よ」
店には他の客もいて、客たちも炭鉱で働く者たちのようだ。親父さんを茶化す所からは、仲の良さが伺える。
女性「えーと、1泊2食の3人分ね」
エド「いくら？」
親父「30万！！」
エド「たけぇよ！！」
何だかさっきから叫びすぎじゃないか？
*
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
