Doomed Person (ページ5)

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北山side

こんな事

初めてだった。

一目惚れなんて。

人を好きになるって一瞬なんだ。

彼女とぶつかった時までは

なんにも思ってなかった。

彼女が

個室に入ってきた時

これが運命なんだって思った。

キラキラと輝く瞳

ぷっくりとした唇

綺麗な鼻筋

幼い顔

時間が止まったようだった。

彼女と過ごす時間はすぐで

もっと一緒に居たいと思った。

一緒に帰りたいという言葉を

今までの俺じゃ、すぐに言えた

でも、Aちゃんには言えなかった

でも、今諦めたら。

理沙ちゃんに言われた言葉を思い出す。

「Aに一目惚れしたんでしょ？？A、かわいいからすぐに取られちゃうよ！」

いつの間にか俺は彼女の名前を呼んでた。

うっすらと残る彼女の残り香を追いかける。

一緒に帰りたいと言えば

顔を赤く染めるAちゃん。

Aちゃん。

俺。

頑張ってもいいかな？

そして顔を赤く染めたAちゃんが言う。

西「北山さんは、口が達者なんですね！」

だよな。

勘違いされるよな。

こんなチャラい見た目じゃ。

北「え？？そうかなぁ」

ホントのホントは

「本気だよ。本当に一緒に帰りたいって思ってる」

なんて、キメた顔で言いたい。

言いたい！！！！！！！！！！！

西「ジャニーズさんだからそういうの鍛えられてるのかなぁ。私も口が上手くなりたいです！」

なんて、幸せそーに話すAちゃん。

ジャニーズさんて笑

北「ジャニーズだからていうのはあんまりないと思うけどなぁ。Aちゃんは愛想いいから大丈夫！」

そうですかぁ？なんてニコニコしながら言うAちゃん。

はぁ、かわいい。

付き合ってたら、絶対今抱きしめてた。

つか、理性とか持たねぇわ。

大通りに出て、タクシーを止める。

西「北山さん、乗らないんですか？？」

北「俺、ちょっと寄るとこあるから大丈夫。ありがとーね。ゆっくり休んでね。おやすみ。」

西「はい、おやすみなさい！」

今の俺、すっごいニヤニヤしてんだろーなー

寄るとこなんて無いし、帰るか。