13話〜万理side〜 ページ14
今日は珍しくIDOLiSH7全員が休みだったから、彼等の寮へ行き、俺は「妹が子供を連れてくるから、迎えに行く」とだけ皆に伝えて車を出した。
"Re:valeの話"には、Aが関わるから話した。
子供は千の子か。それとも……。
昨日の夜、電話で指定した場所。
駅の近くに、Aはいた。傍には子供が二人。
男の子と女の子だ。
「A、乗りなさい」
「う、うん……。……空、海」
後部座席に三人が乗ったのを確認し、車を出す。
「おじちゃん、だれー?」
「ママのお兄ちゃん」
男の子の言葉が刺さる。
お、おじちゃん……。……おじちゃん……。
「男の子は、空。女の子は、海。……あの人と、名前を決めたの」
「あの人、って?」
「……晶人さん。家出した私を拾ってくれた人よ」
「……そうか」
それ以上は、まだ聞くべきではない。
こう言うのはなんだけど、子供が今、Aの負担になっている。
だから、どうしたらいいかわからないんだろう。
色々がんじがらめになっているんだ。
「……A。……千を避けて、どうしたいんだ?」
「……わからない……」
わからない。か……。
まあ、だから俺を頼ったんだろうけど。
やっと、頼れるんだ。
「……うみ、ユキきらい」
「どうして?」
「ママをなかせるから。モモもきらい」
「でも、そらもうみもうたはすきだよ。……モモはよくわからないけど」
海ちゃんに続いて空くんがフォローする。
……双子だなぁ。
Aは、少し暗い顔をしていた。
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作者名:通りすがり | 作成日時:2019年7月8日 9時