高専二年生の特級呪術師２

呪胎戴天７ ページ16

『さっさとやろう。どうせ勝つ』

宿「そのシナリオを崩してやる」

蒼唯が獄闇を短刀サイズにし、構えながら溜め息をついた

宿「特級呪具、獄闇か。主が気に入らなければ呪力をいくら込めても役に立たない、曰くつきのものだがそれを使いこなす奴がいたとはな」

『知ってんのか？』

宿「それは俺がいたときより前に作られた呪具だぞ。勿論よく知っている」

『へぇ、おじいちゃをなんだ、獄闇』

蒼唯が全力で失礼なことを言いながら宿儺に切っ先を向ける

『さぁ、始めようか』



轟音をたてて少年院の壁や天井が崩れ落ちる
その瓦礫の間を二人が互いに攻撃をしあいながら走る

宿儺の拳を横に跳んでかわした蒼唯がフッと笑った

『流石と言うべきか、速いね』

宿「無駄口を叩いている暇はないのではないか？」

宿儺が蒼唯の顔に向けて拳を放つ
が、それは見えない壁によって防がれていた

宿「‼」

『呪力を込められた獄闇の刃は如何なるものも切り裂く。例えそれが空間であったとしても。オマエの拳が私に届くまでの空間の一部を切ったんだ』

宿「空間が途切れれば例え銃弾だろうとなんだろうとオマエには届かない、ということか」

『そーゆーこと』

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