バイト先の教育係【ころん】

Ｓｔｅｐ19 ページ21

『……好きだったんでしょ？西沢さんのこと。奪いたくなるくらいに』

「……センパイ」



すごいな、西沢さん。こんなイケメンな二人に取り合われるなんて。よっぽど西沢さんの事が好きだったんだ。あの人が、ころん先輩が惚れた相手…




「……センパイ。俺、西沢のこと好きじゃないよ？」

『……っは？え、でも大学生の時っ…』

「あぁ、それか」



さとみが私の両手を取り、優しくきゅ、と握って笑った。



「俺はね、別に好きで奪おうとしたわけじゃないよ。ただ」



そう言って、耳元に口を寄せてくる



「単に、彼女を奪ったらころんはどんな顔するかなって、興味が湧いたんだ。なんとなく、欲しくなっただけなんだよ」



『……な』

「な？」



最低……



『最っ低……もう関わらないで』

「え？でも」

『そうやって、今度は私の事を弄ぼうとしてたんでしょ。最低、最低最低……もう話し掛けないで』

「…ちょ、ちが、センパイ！？」



さとみを無視して、急いで準備を再開した。

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