38.ドクターの個性 ページ43
教師達が来てくれたので、私と出久はなんとかその場を離れられた。
出久は昨日の怪我の為、もう一度保健室へ向かうらしく、私も途中まで同行する事に。
「そう言えば…立香ちゃん、昨日の戦闘訓練の後どうしたの？クラスのみんなに聞いても知らないって言うから…」
「ん〜…なんて言うか、改めて実感してた」
「？」
首を傾げる出久を見て、私はもう一度こう話した。
「私が…藤丸立香って言う人間がここにいる、って事を改めて昨日実感、再認識してた」
「え…？それって…」
理解が追い付かないのか、出久は戸惑いを隠せていなかった。
ちょっと難しかったかな？
そのままの意味なんだけど。
「ま、そんな事は置いといて！着いたよ、保健室！じゃ、私は先に教室で待ってるね〜」
「あっ、立香ちゃ…」
何かを言おうとしていたが、私は手を振るだけで振り返らずにそのまま教室へ向かった。
＊＊＊
緑谷side
…立香ちゃん、雄英に入学してからなんか変わった？
『私が…藤丸立香って言う人間がここにいる、って事を改めて実感、再認識してた』
先程彼女が言った言葉が頭の中に蘇る。
そう話す立香ちゃんは今まで見たどの笑顔より、嬉しそうだった。
…雄英の誰かが、本当の立香ちゃんを目覚めさせてくれたのかな。
本当にそうだとしたら
少し…悔しいな
「…あれ？君は緑谷君？」
「え？あ、ドクター」
振り向くとそこに居たのは、保健室の先生であるDr.ロマンこと、ドクターだった。
何故僕がここにいるのかわからなかったらしいが、僕の腕を見て察したらしい。
「怪我を治しに来たんだね。今リカバリーガール居ないから、ボクが代わりに診るよ」
「あ、お願いします！」
保健室に入って、椅子に腰掛ける。
そう言えば、ドクターの個性って何だろう…。
治癒系なんだろうか。
「よし、じゃあ治しちゃうね」
「お願いします！」
そう言うと、ドクターは僕の腕に手を翳す。すると淡い緑色の光に包まれる。
そして、光が治ると同時に何故かドクターの手には……
「ドーナツ…？」
「あ！言ってなかったね。ボクの個性はね、相手の怪我とか病気とかを取り出して、別の物質に変換する事が出来るんだ」
「変換？」
「うん、このドーナツがさっきまで緑谷君の怪我だったものだよ」
「え！？こ、これが！？」
それはどう見ても普通のドーナツ。
しかもこれを誰かが食べると、食べた相手に同じ怪我が生まれるらしい。移植とも言える。
凄い個性だ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 585人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セブ推し(プロフ) - サヒアさん» ありがとうございました！ (2018年6月11日 16時) (
レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - セブ推しさん» 藤丸(ふじまる)、立香(りつか)って読みます。説明なくてごめんなさいm(_ _)m (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 珈琲さん» 本当ですね、アホですね私。教えて下さりありがとうございます！最高…！？う、嬉しいです！頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 撫菜兎さん» 完結出来るよう頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し(プロフ) - すみません，質問なんですが主人公の名前はなんと読むのですか？教えて下さい((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘ (2018年6月10日 17時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2018年2月16日 23時
