04.思い ページ5
「…ん？あれ、出久じゃないか」
「あ…。立香ちゃん…」
翌日の放課後、文房具店から出るとどこか落ち込んでいる出久を見つけた。
溜息ばかりの上、眉毛がずっと八の字だ。
「…何かあった？」
「…実は…さっき、僕……ッ」
トップヒーローのオールマイトに敵から助けて貰ったこと。
そのヒーローさえからも現実を見ろと言われたこと。
憧れの存在になら、自分の求めている何かを得られると思ったのだろう。
けれど、そんなことは全くなかった。
やはり自分は駄目なのだと現実を突きつけられたのか。
「…私も、昔何もできなかった」
「え…？」
泣きそうな顔で私を見つめてくる。
そんな彼にはにかみながら答えた。
「あの頃は…昔は何も知らなかった上、ただ
何でただの一般市民の私が世界最後のマスターとして、戦わなきゃいけないの。
何で命を掛けなきゃいけないの。
何で死ぬかもしれない戦いの中に、私はいるの。
何で私がこんな事をしなくちゃいけないの。
「でも、私しかいなかった。そこに立って何かを成せるのは私だけだったの。私にしかできない事だった…」
今となってはいい思い出。
私は今でもみんなに逢えたことに感謝している。
「だから、出久。諦めるな」
「！！」
「頑張った人には必ず幸せがやって来るもんなんだから」
「りつ、かちゃ……っ」
泣き虫なのは相変わらずだなあ。
くすりと私は笑いながら出久の両肩に手を置く。
「出久は絶対いいヒーローになれる」
「…っ！！」
「私が保証する！だから頑張れ出久」
にっと笑うと出久はボロボロと涙を零した。
私はうんうん！と力強く頷く彼に昔の自分を重ねていた。
＊＊＊
「出久も泣き止んだ事だし、帰ろっか！」
「ぐすっ…ご、ごめん…」
「いいのいいの。あ、何か事件みたいだし、ヒーローいるかも。寄ってこっか」
場所は田等院商店街。
人だかりが凄いのですぐわかった。
その先の商店街は崩れていて、真ん中には泥のような生き物が喚いている。
「え！？あいつ何で…！？」
「出久？」
「僕の…せい……！」
「…出久？どう……」
「ヒーロー何で棒立ち？」
「中学生が捕まってんだと」
その言葉に嫌な予感がした。
物凄く嫌な予感。
視線を泥の敵に戻し、そして………
「勝、己……？」
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セブ推し(プロフ) - サヒアさん» ありがとうございました！ (2018年6月11日 16時) (
レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - セブ推しさん» 藤丸(ふじまる)、立香(りつか)って読みます。説明なくてごめんなさいm(_ _)m (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 珈琲さん» 本当ですね、アホですね私。教えて下さりありがとうございます！最高…！？う、嬉しいです！頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 撫菜兎さん» 完結出来るよう頑張ります！！ (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し(プロフ) - すみません，質問なんですが主人公の名前はなんと読むのですか？教えて下さい((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘ (2018年6月10日 17時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サヒア | 作成日時：2018年2月16日 23時
