24話 ページ29
一方通行はレベル6シフト実験の時、私のように不安だったのかな....
私は彼がレベル6シフト実験をしてると知っていても、止めることができなかった。
だって彼がする実験は大抵自分で選んだものが多いから、だからレベル6シフト実験もその一つだろうと思っていたけど、彼は珍しく研究者に実験を強いられていたのかもしれない。
なのに、私は止めなかった。そんな私が彼に今更助けてなんて言えない。それに助けを求めてしまったら彼が....
「オイ」
『一方通行、眠れないの?』
「....A、何隠してやがる」
一瞬どきりと心が跳ねる。
今まで実験について何も聞いてこなかった一方通行が今回に限ってわざわざ聞いてきた。
嘘を言いたくないけれども、言うしかない。
『...何にも隠してないよ』
「嘘つけ。....なンで俺に頼らねェ」
『何言ってっ』
私が体を起こそうとすると一方通行に押し倒された。
一気に一方通行の顔が数cmというところまで迫ってきていて目をそらしたいけど鋭い眼差しに圧倒されてしまう。
「お前が俺に実験について話したがらねェのは知ってる。だがなァ、お前が辛そォな顔してるのにほっとけるわけねェだろォ」
『そんな顔....』
「してねェなンて言ってみろ、お前の口塞ぐぞ」
『....』
「...まァいい。俺は勝手にお前を助ける準備をする。A、黙って俺に守られろ」
一方通行はそういうと部屋を出て言ってしまった。
一体何が起こったのか混乱してしまう。
だって今まで一方通行に押し倒されたことなんてなかったんだから.....
でも、まずいことになっちゃった。
一方通行が私を守るっってことは実験が私から彼に移行してしまうからもしれない。
それは絶対にダメ。
今まで守ってきたんだからこれからも絶対守りきる....
そう決意して私は目を閉じた__
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作者名:あすな | 作成日時:2020年8月9日 1時