２１話 帝督Side ページ26
俺はその写真を受け取って見ると、そこには肩くらいのふわっとした茶髪に茶色の瞳をした少女がいた。
一瞬目を疑った。
綺麗な黒髪で黒い瞳をしていた彼女が完璧なまでに茶髪で茶色の瞳に変わっていたからだ。
それでも顔の骨格や目の形から俺にはこの写真に写っているのはAだと確信できる。
しかし、確信したからこそ、問題が増えていく。
まず、茶髪と茶色の瞳について＿
これは染めたり、カラコンを入れればなんとかなるが、それにしてはこのグラデーションは自然すぎる。
染めたというよりも、元々この色でしたと言われた方がしっくりくる。
でも右の瞳はカラコンだな。左は茶色だが、右は違う色だと思う。
次に能力＿
おそらく特力研の情報の方が正確だろう。
だが、その場合この水流操作ってのはなんだ？それにLevel4ってのも引っかかる。
そして、本当にLevel4なら私い問題が出てくる。
それは常盤台高生の反応について＿
何人かに話を聞いたが、その全員がAを様付けで呼んでやがる。
Level3以上しか入れない常盤台高校でLevel4なんて何人もいるはず、なのにAだけが様付けというのは疑問だ。
確かに、常盤台高校はLevel5はいない。それにしても変だ。
昨日の心理定規の話から推測するに、Level4でもLevel5に近い力を持っているから優遇されているとかそういう感じの話しか？
さて、この難題。どっから崩してこうか....
謎だらけの女は嫌いじゃねぇ
俺が絶対捕まえてやるから覚悟しとけよ......A
俺は無意識にフッとわらいAに会えるのをまた待ち望んだ＿＿
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作者名：あすな | 作成日時：2020年8月9日 1時
