１９話 ページ24
私は驚いて一方通行を見ると少し頬を染めて、そっぽを向いていた。それが少し可愛いと思ってしまったのは内緒。一方通行から差し出された紙袋を受け取り、『ありがとう』というと「あァ」と小さく一方通行が呟く。
私のために一方通行が選んでくれたと思うと少し嬉しい。
そういえば今までプレゼントというものをもらったことがない。
だからかな？とても嬉しい。
「じゃァな」
『うん。バイバイ』
私は一方通行に小さく手を振って部屋の中に入り、一方通行からもらった紙袋をソファの方に持っていく。丁寧に包装されている服の包装紙をゆっくりと剥がしていくと、サテン生地の白いワンピースが入っていた。
ところどころに赤色のガラス細工が施されていて、とても素敵なワンピースだった。
すぐに携帯でありがとうとメールを送り、ワンピースを部屋のクローゼットに仕舞おうと思って部屋の方に向かうと、知らない紙束が机に置かれていることに気がついた。
その紙束には”無限能力者進化計画”と書かれていた。
その文字を見た瞬間、ワンピースをバサッと落としてしまった。
まさか昨日の今日で計画を完成状態にしてくるとは思わなかったし、楽しい時間が一転し最悪な気持ちになった。
資料を読んでいくと一方通行のLevel6シフト実験とほぼ同じ。違うのは殺 す対象が私のDNAマップで作られた私のクローンというだけ
計画は明後日からで１個体目は研究所、そこからは研究所や研究所以外のところでも行う。
本当に馬鹿げた実験だと鼻で笑ってしまう。
まあ、その実験を受けてしまう自分もばかだけどね、それに一方通行に助けを求めないのも....と心の中でつぶやいて私は計画書を燃やした_____
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作者名：あすな | 作成日時：2020年8月9日 1時
