14話 帝督Side ページ19
「あ”ぁん”?、お前もういっぺん言ってみろ」
そう弓箭に促すと自分が言ってはいけない事を言ってしまったことに気づき、震え始める。
「いや、あの....えっと」
「早く言えよ!」
「あっ...」
俺はこんなにも探してるのに、見つからないことと、Aが死んでしまっているのではないかという不安で機嫌が最高潮に低下している。
それに発火したのが弓箭。
だが、今争っていてもしょうがない。なんとか心を落ち着け、平静を取り戻す。
「次言ったら、どうなるかわかるな」
そういうと弓箭はブンブンと縦に頭を振った。
まあ、俺の予想ではAはLevel4以上の力はあるだろうと思っている。
じゃねぇと俺と一緒の部屋に入れられるなんてありえねぇ。部屋が足りなかったのかもしれねぇが実験対象が互いに殺 しあうのを防ぐために、似たような能力者か同じようなLevelのやつと同室にさせるはずだ。
「まぁ、次の研究所に行きましょ」
「あぁ」
「次で見つかるか手がかりが掴めればいいんすけどね」
俺たちは次の研究所し行くために、今いる研究所から出て車に乗った。
_______絶対に見つけてやる。そして、今度こそ俺のそばに....
ーーーーーーーーーー
「次の研究所はここか?」
「えぇ、ここは特例能力者多重調整技術研究所の跡地」
「もしかして有名な特力研....」
「確か今は研究してないはずっすよね」
「えぇここには手がかりがあるかもしれないって思っただけ」
そう言って心理定規は俺たちを置いて研究所に入って行こうとする。
この研究所はさっき弓箭が言ったように通称特力研、と言われる研究所。確か一方通行の出身研究所でもあり、多重能力者の存在について研究がされてたはずだ。
できればこの研究所に手がかりがあって欲しくねぇ。
そんな意味も込めて今ままでこの研究所跡地には来ようと思わなかったが、もう半年以上も探しているから仕方なくだ。
というのも、ここの実験は非人道的なものが多く、ほぼ毎日のように薬を打たれて、能力制御装置という名の首 輪をつけられるということを知っているからだ。
おそらく今までの学園都市の中で一番最悪な研究所がここ。
俺は誉望と心理定規、弓箭が行った後から研究所に足を踏み入れた。
ここに手がかりがないことを願いながら_____
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作者名:あすな | 作成日時:2020年8月9日 1時