100 怒り?まぁ、な ページ24
*
リヒト「確定だな」
翼を仕舞って、リヒトは髪を軽く搔き上げる。依然として、怒りの表情は崩さない。
リヒト「……やはり人間とはよくわからない。ここまで生命体としての本能が歪むか」
リール「何を言ってるんだ?」
リヒト「黙れ。お前らも面白いとは思うが、今のを見てしまった俺には、今は嫌悪の感情しか湧かない」
重苦しいオーラが、3人を襲っていた。
リヒト「俺の友達を、傷つけたら許さん」
リヒトは3人を睨み付ける。そのオーラが蠢き、リヒトの背後に影を形作りーー
リヒト「……む」
かけたところで、リヒトがぎゅっと拳を握った。その瞬間、オーラは消え去る。
リヒト「なるほど。……俺の感情によってオーラが変わる……これは防衛本能?否、俺を君臨者と知る生命体たちが俺を守ろうとして……」
ぶつぶつと呟き出すリヒトを、敵3人はぽかんと見つめる。冷や汗は背を伝うものの、この少年の感情の落差についていけず、自分が怖がっているのか呆れているのかさえわからなくなるのだ。
リヒト「む、すまない。驚かせたな」
ちらっと彼らを見て突然リヒトは謝り、無防備に近付いてズシを負ぶう。
キルア「……おーい、リヒトー。こいつらお前についていけてねーぞ」
リヒト「ああ、いいよ。俺そいつら嫌い。人間だし面白いけど。話くらいはしてもいいが、友達になりたいと積極的には思わないし、俺は今忙しいからさぁ」
キルア「……あー、うん、そう」
リヒト「キルアがそいつらと戦うなら止めはしない。ただ、リング場以外の場所で、キルアやゴン、ズシに手を出したら許さない。それだけ覚えといてくれればいいよ」
およそ彼らしくもない態度で言い連ね、じゃ、とリヒトは歩いていく。
キルア(……何に怒ってんのか全然わかんねぇ……)
ウイングの宿へと向かうリヒトの背を、キルアは半ば呆れて見つめていた。
【リヒトside】
「ウイング」
ウイング「おやリヒト君ですか。……ズシ?」
「寝たから連れてきた。じゃ」
ウイング「寝た?え、あの、リヒト君!?」
ズシをウイングに渡して、また外に出る。ウイングが呼び止めてくるが、それは無視した。
「……」
ただ、何だか変な感情が思考を支配していて、誰とも話したくない気分なのだ。
怒ってる。そう、俺は今すごく怒ってる。
でもその怒りを、何処にぶつけていいのかわからない。というより、何に怒ってるのかもわからない。
多分ゴンにだけれど……よく、わからない。
「う〜〜……」
目の前が滲んだ理由も、わからない。
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勿忘草 - 実況さんに返事をする夢主さんが面白いwww (2020年6月14日 18時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - マーシャさん» ふふふ(≧∇≦) 続編をお楽しみに!応援ありがとうございます! (2019年6月2日 6時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ - 黒髪の青年はクロロですねわかります! 続編頑張ってください! (2019年6月1日 17時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - キラさん» キラさんありがとうございます!!こっからも頑張りまーす!! (2019年5月19日 1時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - やっぱりいつ読んでも面白いですー!!これからも楽しみにしてます!! (2019年5月17日 22時) (レス) id: b207c7ff5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2018年12月29日 23時