三条と粟田口、計18振の兄ですが何か？【刀剣乱舞・男主】

参拾振目 ページ32

甘味処を出る時、気立てのよいおじさんに聞いた万屋への道中

団子の送料は政府が払ってくれるんですかね？

という物吉の質問から始まった会話は二転三転して、結局『政府が払ってくれるのでは』というところに落ち着いた。

そんな他愛もない話をしながら和気あいあいとした雰囲気で歩いていると

明石「…あれ、もしかして検非違使とちゃいます？」

明石が指差す先には、うすら暗い森と、時々光る何か。

刀が反射しているのか？

物吉「あ…本当です！
どうします？行きますか？」

唯一の脇差で目がきく物吉が、慌てた様子で言ったちょうどその時、後ろから何かが近づいてくる気配が。

みんなもその気配を感じたようで後ろを振り向く。

貴方「…これはこれは」

目の前の光景に思わず笑ってしまい、袖で口元を隠した。

こんな状況で笑うな、って？

いやぁ、主を背負った長谷部が真顔で走ってきたら笑わざるを得ないぞ？

主「長谷部さんありがとう！
重かったでしょ？ごめんね…」

長谷部「いえ、主命をこなすのは当然です！
それに主…ちゃんと食べてますか？軽すぎですよ」

主「たっ…食べてるよ！」

僕は筋肉ないからさー

悔しそうにそう付け足す主。

三日月「それで主。何かあったのか？」

主「うん、実は式神を飛ばしてみんなに危険がないか見てて貰ってたんだけど…
そしたらみんなの近くから邪気を感じたみたいでさ。
長谷部さんにおぶって貰って来たんだ」

そちらこそ何かあったの？と聞かれ、検非違使のことを話す。

長谷部「どうします？主」

主「桜吹雪は…うん、舞ってるね！
じゃあ突っ込むけど、くれぐれも無理はしないように。
怪我したらすぐ僕のところに来て。いい？」

各々返事をする。
今回は明石が主についているようだ。

検非違使を追って、紅葉で紅や黄色に染まった森を進む。

貴方「一之瀬もすっかり『主』だなぁ」

三日月「そうだな」

貴方「君ももうすっかり立派になったな。
俺の方が弟みたいだ」

三日月は、そんなことないぞ？と笑った。

三日月「Aはいつだって俺の自慢の兄だし、俺の…」

貴方「ん？」

三日月「いや、なんでもない。
(想い人だ…なんて言えないなぁ)」

三日月の頬が若干赤くなる。

そんな会話をしているうちに、目的地が近づいてきた。

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