正義の狂信者/一話 ページ3
手招きされるがまま教室の入口へ近寄り、「なんですか」と尋ねると、少しバツの悪そうな顔をした。
「……すまないが、ここでは人目がな。場所を変えたいんだが」
守沢先輩のその言葉で、何となく察しはついた。
今日は放課後にユニット練があるのだが、それに関する連絡などなら別に呼び出すのは私でなくても良いはずだ。
個人的に私を呼び出す理由――しかも、人目が気になるから場所を移動したいとまで言われてしまったら。
もう、彼の話の内容というのは『アレ』の役目が大きく関わってくるだろう。
「……わかりました。少しだけ待ってて下さい」
「ああ」
一旦自分の席まで戻り、南雲くんたちに少しの間抜けるという旨を伝えて自席を片付けてから、先輩の元へ戻る。
「じゃあ移動しましょうか」
「ああ。空き教室……では誰かに聞かれてしまう可能性もある、AV室の鍵を取ってこよう」
「(……そんなに聞かれたくないのか)、わかりました」
守沢先輩の言うとおり、AV室へ移動して鍵を開け、中に入る。
適当な位置の席に座って、先輩に向き直り話の続きを促した。
「それで、お話というのは?……まあ、大体察しはついてます」
『ボディーガード』としての私に、頼みたいことがあるんですよね――と言えば。
守沢先輩は「参った」とでも言いたげに、ふっと表情を緩めた。
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