【初投稿】鏡の子の恋愛事情 2 (ページ7)

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三章 20:過去編17 赤黒い朝ページ7

大きく、立派な扉。

この先にはダークがいる。

扉の前に立つ、『ぺいんと』『死神』『クロノア』『トラゾー』『黒神』『闇ノア』『影ゾー』の7人は、長期戦を覚悟して装備を整えていた。

一番良いのは'話し合い'だ。

でも、相手はあのダークぺいんと、会話に応じるかも分からない。

「皆…死ぬなよ。」

筆頭のぺいんとが呟く。

返事など無かったが、皆『死ぬわけ無い。』と答えているようだった。

皆で扉に手を添え、勢い良く開いた。

上る朝日に照らされて、黒い影が足元に伸びていた。

影の主は、燃えるような赤い瞳をこちらに向け、不思議な光を帯びた水色の剣を手にしている。

「遅かったな…ダークサイド共(裏切り者共)。」

低い声で言い放たれた言葉に、背筋が凍るのを感じる。

裏切り者,と呼ばれた三人も、息を飲むだけだった。

「お前らがライトサイド(そっち)に付こうが、俺は関係なく潰すぞ。」

赤黒い弾幕が、部屋一帯を覆い尽くす。

さっきまで綺麗だった朝日はすっかり消え、おぞましい雰囲気が部屋を包んだ。

「ダークさん…僕は…僕は、貴方と戦います。」

黒神がダークの目をまっすぐ見て言う。

気にくわないのか、「生意気だ」とでも言いたいのか、不満そうに鼻を鳴らす。

「ダーク…俺もお前と戦う。本気でな。」

「俺も。いくら恩があるとは言ってもね。」

影ゾーと闇ノアも、はっきりと言い放つ。

7人の決意は同じだ。

「なら……お前らにも死んでもらう。」

ダークの手から黒い炎が放たれ、部屋を黒く照らす。

逃げたい、戻りたい、嫌な予感しかしない。

でも、やるしかない。

「ダークぺいんと！俺達と勝負だ！！」

「ぺいんともお前らも、まとめてあの世に送ってやるよ！！」

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？「始まった…未来をかけた戦いが。」

とある図書館の一室で、浮かぶ本にも目にくれずに鏡を見つめる、一人の女。

真っ黒な表紙に赤い宝石がついた本は、あるページの文字がぐちゃぐちゃになっている。

真っ赤な文字が並んだと思えば、黒い字が並び、両方が並ぶ時もある。

この本が示すのは……'ぐちゃぐちゃな未来'だ。

？「ぺいんと,死神,クロノア,トラゾー,黒神,闇ノア,影ゾー,頑張って…！」

彼女は必死に願う。

助けられなかった彼が救われることを、未来が救われることを、願っていた。

………この戦いが、全てを決めるのだ。