第伍拾玖話:紅 ページ9
「はぁっはぁっ」
Aは森を駆けていく
身体中傷だらけで、刀もあちこち欠けて次戦闘になったら一撃で折れてしまいそうだ
そんな中、森の中に小屋が佇んでいるのが見えた
(きっとあそこだ!)
壁が崩れていて、崩れた先に人影が見える
(あれは...鉄穴森さん...?蹲っている...もしや中に鬼が!?)
小屋に突入しようとした刹那
バキャッ
「なっ!?...触手!?」
小屋の中からタコの足のような触手が壁を、屋根を打ち破り出てきた
その衝撃で幾つか人影も小屋から放り出される
おぞましい見た目の鬼と、時透が対峙しているのが見えた
(時透さん...!彼が戦ってくれていたんだ...それと...あれは....)
鉄穴森も小屋の外に放り出されたのが見えた、そしてもう一人....
放り出されて尚刀を研ぎ続けている男がいた
お面はしておらず、傷だらけであったが、Aは一目で誰だか理解できた
「....鋼鐵塚さん...」
(何やってんだかあの人は....左目、あれ潰されてるのかな...?なのに、まだ刀研いで....あの人らしいっちゃらしいか...)
すると視界の端で鬼が血鬼術を繰り出すのが見えた
大量の魚が時透を襲う
その魚はあぶれて鋼鐵塚の方にも向かっていく
(あ、やばい、間に合わない)
そう思った
Aの方にも魚が襲いかかってくる
一匹がAの簪を掠め、目の前に簪が落ちてくる
「あ.....」
紅い....彼岸花....
幼い頃、家の近くにたくさん咲いていた彼岸花を思い出した
両親のこと
育手のこと
同期のこと
鉄井戸のこと
煉獄のこと
今まで助けた人たち
助けられなかったひとたち
すべて、すべて、思い出した
目の端に、最初に鋼鐵塚に打ってもらった刀が放り出されているのを見た
その刀を手に取り、地面を踏みしめ鋼鐵塚の元へ飛ぶ
そして鋼鐵塚の元へ襲いかかる魚をすべて払い除けた
手には真紅に染まった刀を携えて
「....私が、鋼鐵塚さんを守ります!!」
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yui - お粥さん» そうですねー…頑張ってください!きっといい作品が思い浮かびますよ!待ってますね♪僕も頑張ろーっと! (2020年3月18日 3時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
お粥(プロフ) - yuiさん» 鋼鐵塚さんは…少ない分夢の方々みんな強火のイメージがあります…まあ番外編書くと言ってもちゃんとお話纏ってるのまだ一個だけなんですけどね!満杯になるまでやりたいのであと3話ほど考えなきゃなんですよ、恐らく考えつくまで長いので気長にお待ちくださいm(_ _)m (2020年3月14日 0時) (レス) id: 7de96b0985 (このIDを非表示/違反報告)
yui - お粥さん» 絶対読みます。読む以外の選択肢ありません。(真顔)…鋼鐵塚さんが好き、っていう人、いないんですよねー、僕の周りには。マイナーなんですかね?でも、好きです。鋼鐵塚さん。(突然の告白) (2020年3月13日 23時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
お粥(プロフ) - yuiさん» ありがとうございます!鋼鐵塚さんの夢女発症してから思いついてたお話をだらだら書き続けて今に至ります!これからも番外編いくつかあげる予定なので読んでいただけたら幸いです! (2020年3月13日 23時) (レス) id: 7de96b0985 (このIDを非表示/違反報告)
yui - んー!!ヤバイッスね!(ほめ言葉)鋼鐵塚さんオチの小説ってなかなかないので…いつも楽しんで読ませていただいてます!ありがとうございますー!これからも頑張ってください!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お粥 | 作成日時:2020年1月8日 1時