番外編:記憶 村にて 弐 ページ46
「ひっぱんじゃねえよガキ!どこに連れてく気だ!?」
「ガキじゃないよ!もうすぐで10になるんだ!」
「やっぱガキじゃねえか!」
「ガキじゃない!」
そう言い問答をしているうちに小高い丘に出た
そこはさっきいた場所から墓まで一望できる場所だった
「何だってんだこんなところに...」
「おにいちゃんつったったまんまじゃよく見えないよ!しゃがんでしゃがんで!」
「あぁ?」
「いいから!」
これ以上鬱陶しくなるのは面倒だと鋼鐵塚は女の子と同じ視線になるまでしゃがんだ
「一体何なんだ...」
「下、覗いてみて」
言われるがまま視線を丘の下に向けると...
丘の斜面に沿って真っ赤な彼岸花が見事に咲き誇っていた
思わず鋼鐵塚も目を奪われた
「....ね?綺麗でしょ?私の秘密の場所なんだ、お母さんには危ないからあまり行くなって言われてるんだけど...今日はこっそりきちゃったの」
確かに丘は少し突き出ていて、抉れた斜面から彼岸花畑が広がっていた
子供一人で行かせるには些か不安な場所だ
「どう?おにいちゃん、なんだか落ち込んでるみたいだったから...元気出た?」
此方をチラリと自分より背の高い鋼鐵塚を上目遣いになりながら少女は尋ねた
「.......ああ、そうだな」
鋼鐵塚は正直に珍しくそう答えた
「よかったぁー!あ!おにいちゃん彼岸花の花言葉って知ってる?」
「あ?花は花だろ」
「お花には種類によって花言葉っていうのがあるんだって!えっとね..たしか「あきらめ」と「てんせい」?と「どくりつ」..「じょうねつ」...「思うのはあなただけ」?だっけ」
少女は辿々しく覚えた言葉をなんとか思い出しながら口に出していった
「お前...意味わかって言ってんのかよ」
「正直半分はよくわかんない!あ!もう一個!これはちゃんとわかるよ!」
近場に咲いていた彼岸花を折り鋼鐵塚に差し出した
「また会う日をたのしみに!」
少女ははにかみながら今度ははっきりした声で言う
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yui - お粥さん» そうですねー…頑張ってください!きっといい作品が思い浮かびますよ!待ってますね♪僕も頑張ろーっと! (2020年3月18日 3時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
お粥(プロフ) - yuiさん» 鋼鐵塚さんは…少ない分夢の方々みんな強火のイメージがあります…まあ番外編書くと言ってもちゃんとお話纏ってるのまだ一個だけなんですけどね!満杯になるまでやりたいのであと3話ほど考えなきゃなんですよ、恐らく考えつくまで長いので気長にお待ちくださいm(_ _)m (2020年3月14日 0時) (レス) id: 7de96b0985 (このIDを非表示/違反報告)
yui - お粥さん» 絶対読みます。読む以外の選択肢ありません。(真顔)…鋼鐵塚さんが好き、っていう人、いないんですよねー、僕の周りには。マイナーなんですかね?でも、好きです。鋼鐵塚さん。(突然の告白) (2020年3月13日 23時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
お粥(プロフ) - yuiさん» ありがとうございます!鋼鐵塚さんの夢女発症してから思いついてたお話をだらだら書き続けて今に至ります!これからも番外編いくつかあげる予定なので読んでいただけたら幸いです! (2020年3月13日 23時) (レス) id: 7de96b0985 (このIDを非表示/違反報告)
yui - んー!!ヤバイッスね!(ほめ言葉)鋼鐵塚さんオチの小説ってなかなかないので…いつも楽しんで読ませていただいてます!ありがとうございますー!これからも頑張ってください!! (2020年3月13日 11時) (レス) id: a956401359 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お粥 | 作成日時:2020年1月8日 1時