偶然な出会い 其ノ肆拾肆 ページ6
「よーし、できた！」
箸を置き、皿を持ち上げた。
Aの得意な料理でもある煮物は、
いつもと変わらず美味しそうに湯気を上げている。
布で包んでいくこの煮物は、しのぶへのおすそ分けだ。
「いつも喜んでくれるから、たくさん作っちゃうんだよね」
羽織を取りに部屋へ戻ると、机の上にあるたくさんの文が目に入った。
「帰ったら読まなきゃ、」
心夏、遊女たち、宇髄さん・・・。
増えていくやり取りに苦笑しつつ、Aは草履を履いて外へ出た。
「しのぶちゃん、いる？」
戸の前に立ち、声をかけた。
「はい。・・・Aさんですか？」
しのぶが出てくるなり、Aは煮物を差し出した。
「私が作ったんだけど、良かったらどうぞ」
「まあ、ありがとうございます。
せっかくなので、寄って行ってください」
しのぶに手招きされ、Aは家へ上がった。
「Aさんの煮物、カナヲたちにも人気なんですよ」
「そうなの？嬉しい」
「頑張れ善逸！」
「もう、無理だよおお！」
「弱っちいなあ！お前は！」
と、庭から声が聞こえてきた。
「ああ、この前遊郭へ行ってた子たちです。
今は治療明けで、鍛錬中です」
しのぶと庭を訪れると、三人の隊士が鍛錬をしていた。
金髪の子がひざまずいており、二人が鼓舞している。
「・・・あの子は」
ーー「・・・市松模様の羽織！連れ帰れ！」
花札の耳飾りに、赤い綺麗な瞳。
那田蜘蛛山で鬼を連れていた子だ。
名前は確か・・・。
「炭治郎くん、少しいいですか？」
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レベ - 錆兎のお話見るたびに泣いてしまう…（感動の涙です。） (2022年11月16日 15時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：組紐屋の夜桜 | 作成日時：2022年4月11日 22時
