桜の花は、淡い恋色。２【鬼滅の刃】 (ページ43)

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何度でも　　　　　其ノ捌拾ページ43

(また立ち上がる・・・害虫共)

段々と動きが鈍くなる鬼舞辻無惨。

そしてその周りには・・・血だらけで立ち上がる鬼殺隊士たち。

(何度でも立ち上がる。夜明けまで・・・)

ーー私の息の根を止める瞬間まで

「獣の呼吸、肆ノ牙。切細裂き！！」

「雷の呼吸、漆ノ型。火雷神」

どれだけ攻撃を仕掛けても、斬り裂いてくる無惨。

しかしそこには、何度倒れても諦めず、仲間を守り抜く炭治郎たちの姿があった。

「日の呼吸、」

連続で技を出していた炭治郎が刀を振り上げ・・・

「陽華突！！」

遂に、無惨を壁へと押し込んだ。

(もうこれ以上、俺は技を出せない)

と、刃のような攻撃が襲いかかった。

「もういい加減にしてよぉ！！馬鹿！！」

「風の呼吸、捌ノ型。初烈風斬り」

炭治郎を守る二人の柱。

「甘露寺さん！不死川さん・・・！」

その時、無惨が化け物のような口を開けた。

(下がるな・・・無惨を逃がすな・・・！)

飲み込まれそうになる炭治郎の前に立ったのは、伊黒小芭内。

「伊っ・・・」

「夜明けだ！！このまま踏ん張れェェ！！」

実弥が叫んだ瞬間、太陽が昇った。

(放すな・・・手を放すな・・・！

　心を燃やせ！！)

震える炭治郎の手を、義勇が後ろから支える。

「うおぉぉぉ！！」

やがて無惨は大きな赤子の姿となり、炭治郎を飲み込んだ。

「炭治郎！！」

無惨は日陰に入ろうと、街の中を歩き回る。

「押せ押せ押せ押せぇええ！！」

無惨を食い止めようと、隠たちが車で行く手を阻んだ。

「しぶてェんだよ糞がァアア！！」

「オオオオオ！！」

実弥と悲鳴嶼も必死で止める。

「地面に潜ろうとしてる！」

「水の呼吸、拾ノ型。生生流転」

「蛇の呼吸、肆ノ型。頸蛇双生」

義勇と伊黒も加わったが、地面にめり込んでいく無惨。

「無理だ・・・駄目だ！！」

ザッ・・・ザッ・・・

遠くから聞こえてくる足音。

血を流しながらゆっくりと歩いてくる人影は、

ーー刀を握り締めたAだった。