気付いた異変 其ノ陸拾 ページ23
「さあ、かかって来て！」
「はい！」
炭治郎が振り上げた木刀を、Aは受け止めた。
「そうだね・・・。
もうちょっと肘を高く上げたらどうかな」
「こうですか？」
と、炭治郎が振ってみせた。
「そうそう！いい感じ！」
「ありがとうございます！」
炭治郎の一生懸命さに、Aは微笑んだ。
炭治郎へ何もかも話したあの日以来、
この小川の辺りで鍛錬の手伝いをするようになった。
私と鍛錬をしてから悲鳴嶼さんのところで稽古。
炭治郎くんからしてはきついと思うんだけど、
強くなりたいと言う本人の想いに応えてあげた。
本戦で戦えない私にとって、
最大限のできることだ。
「あ・・・。そろそろ稽古に行ったほうがいいよ」
「もうこんな時間・・・。
いつもありがとうございます」
「いえいえ。頑張ってきてね」
羽織を肩に担ぎ、頭を下げて炭治郎は去った。
「さて。蝶屋敷に寄ってから帰ろうかな」
桔梗柄の羽織をひるがえし、
Aもその場から立ち去った。
「ごめんください」
しばらくして、しのぶが顔を覗かせた。
「まあ、Aさん！どうぞ」
しのぶが快く通してくれ、部屋に座ると
庭で三人娘が遊んでいた。
「あ、Aさん！」
「こんにちはー！」
「ゆっくりしていってください！」
三人の輝くような笑顔に、Aも微笑んだ。
「どうぞ」
と、しのぶがお茶を差し出した。
ん・・・？
ちらっと見たしのぶの顔。
以前の元気はなく、疲れているようにも見える。
「・・・しのぶちゃん、具合悪いの？」
その言葉に、しのぶの手が固まった。
「どうして・・・？私は元気ですよ」
「少し青ざめてる。前に会った時よりも」
しばらく間が空いて、しのぶはため息をついた。
「やっぱり・・・。Aさんには嘘がつけないですね」
と、しのぶは側の机から花を取り出した。
鬼殺隊では何度も目にする、紫色の花。
「それは、藤の花・・・？」
「そう。私はこの藤の毒を一年かけて、」
「身体の中に取り入れ続けた」
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レベ - 錆兎のお話見るたびに泣いてしまう…（感動の涙です。） (2022年11月16日 15時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：組紐屋の夜桜 | 作成日時：2022年4月11日 22時
