助ける後ろ姿は 其ノ肆拾壱 ページ3
居ても立っても居られず、飛び出したA。
「あ？何だよお前」
「どんな事情かは知りませんが、その人は嫌がってますよ！」
「そんなことお前には関係ねえ。こいつが俺から逃げようとしただけだ」
「もう無理です。・・・あなたとは分かり合えない」
女性のすすり泣く声。
「そういうわけだ。・・・そこをどけ」
女性を連れて行こうとした男の手を、Aは掴んだ。
「まだ文句あるのかよ！」
男がAに平手打ちしようとする。
「危ない！」
なつは目をつぶった。
(いつも無茶する・・・。人を守るためならば、あの人は・・・！)
・・・だが、いつまでたっても音が聞こえない。
目を開けると、飛んできた手を止めるAがいた。
「何度言ったら分かるんですか？嫌がってるって。
自分だけ幸せになればいいんですか？」
二人はしばらく睨み合っていたが、
「どけよ。さもないと・・・」
と、男が小刀を出した。
あちこちで起こる悲鳴。
だが、Aは驚きもせず身構えた。
彼女を後ろにして。
「こっちです！」
その時、なつが警察を連れて来た。
「ちっ。覚えてろよ！」
警察から逃げるように、男は去って行った。
Aは振り返り、女性の手を握って立たせた。
「ありがとうございます。何とお礼を言ったらいいか・・・」
「いいんです。あなたが困っていたので」
そっと彼女の肩に手を置く。
「幸せになってください。今度はいい人に巡り会えますように」
「・・・はい！」
女性は会釈をすると、その場を去った。
「大丈夫ですか？」
「大丈夫。ありがとう、なつ。・・・刺されたらどうしようかと思ってた」
「かっこよかったですよ。A様の、人を助ける姿」
なつに笑顔を見せた時、
「びっくりしましたよ。お怪我はありませんか？」
聞き覚えのある声がして、Aは振り向いた。
「しのぶちゃん！」
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レベ - 錆兎のお話見るたびに泣いてしまう…（感動の涙です。） (2022年11月16日 15時) (
レス) @page5 id: ea3111d08d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：組紐屋の夜桜 | 作成日時：2022年4月11日 22時
