お酒×初恋=ほろ甘依存症【さとみ】

アルコール18% ページ19

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「おじゃましまーす」



レジ袋を片手に来たさとみちゃん



数日会って無いだけなのに会いたくてしょうがなかった気持ちが解放されて何処か幸福感を得る



『邪魔しないで下さいねぇー』



「邪魔しまぁす」



少し会話するだけで笑いが広がる



会社の人や家族や友達よりも話して一番楽しいのはさとみちゃん



頭はさとみちゃんだらけなのかも知れない



『「かんぱーい」』



ｶｷﾝｯと鳴るこの音も快感だ









.









「あ、そう言えばさ」



『うん？』



「俺、結婚するんだ」








"結婚する"



あまりにも急過ぎる言葉に頭がまう



体も表情も動かせないほどだ



『…やだ』



やっと出てきた言葉は、止めるには幼児過ぎる言葉だった



視界に映る机には水滴が落ちて行く



「泣くなよー。もおー困った子だなあ」



よしよしと優しく頭を撫でられる



何時もならこれで凄く嬉しいのに



今は凄く「つまらない」「足りない」と言う感情に浸っている



その子が私なら良いのに、とは一瞬考えたけどきっと違う



だってずっと見てきたから分かる



さとみちゃんの意思は私に向いていないまんまだ



『そっかおめでとう。けど、もう良いよ。帰って』



頭に乗っている手を叩いて突き放すと目線を合わせずに尖っている言葉を放った



本当と嘘が混ざってる言葉



喉が痛くてしょうがない



「ちゃんと祝ってくれないの？」



その言葉にも嫌気がさす



はあ？本当に祝ってあげれるわけは無いでしょ。なんて言いたくなる程だ



祝えなくてごめんねって言う気持ちは1/100だ



「…ごめん。意地悪し過ぎた」



今更なんだよって話



もう、その愛している甘い声も聞きたくない



『勝手に帰ってて。』



もう良いや。寝室に行こ




ここで手を取ってくれたら良いのに。そんな期待も無い



ただ今は、一人になりたい



相手の気持ちより自分の気持ちが優先なのは誰だって変わらないはず



優先しているけれど、自分の気持ちを良く分かってるかと言えばそんな事は無くて



本心にナイフが刺さって毒が入ったようだ









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