"REASON"2

スクープ ページ10

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日々の業務に疲れ果てながら、会社の一階のコンビニでサラダとおにぎりを買おうとしていた時、


ふと雑誌コーナーの"巨人軍"の文字が目に入った。






その雑誌はスポーツ誌なんかじゃなくて、
“巨人軍"と言う言葉が載るには似つかわしくない週刊誌という部類のもの。


ダメだってわかってても思わず手が伸びて、その雑誌を開いて記事を目にしてしまった。













それが私的、3年間の最大の失敗。




坂本勇人と書かれたその文字にはそれなりに見覚えしかなくて、何度目を擦ったり瞬きをしても印字されたその文字は変わらなかった。


これから中継とかインタビューとかにあたって雑誌に一通り目を通さないと、と業界人の謎のプライドが邪魔をしてその週刊誌を購入。


その雑誌を私があまりにも真顔で差し出すから、お店の人に「え、、あ。お箸いりますか？」と営業スマイルどころか、苦笑いを浮かべながら聞かれた。






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自分のフロアに戻ってデスクに座っても、机の上に置いてあるカレンダーは残酷にも坂本勇人その人で、大変気まずい。






どうしたものか。
勇人は今日までマツダで試合中。今日は先輩の男性アナウンサーが中継をしているとか。
不幸中の幸いと言ったところか、勇人は東京にはいなかった。



今日はひとまず家に帰って、服とか一式持ってきて泊まり込む準備しようかな、とぼんやり考えたり。


明日は午前中はほぼ打ち合わせや会議、ナレ撮りが夜の11時からある爆発的な忙しさのスケジュールだ。明後日はロケや収録。







勇人と話し合わないといけないのは、わかってる。


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