26／ざわめく ページ28
.
途端、クラス全員があたしと緑谷くんの方へ首を向ける。
あたしと緑谷くんは、突然のクラスの変化に驚き、ビクリとした。
…………聞こえる笑い声。雨のように降り注ぐ非難、罵詈雑言。
あたしの本能がそれを拒み、耳を塞ぐ、目を瞑りそして顔を蒼くする。
雄英は出来損ないのあたしに釣り合わない。
だから、受けたくなかったのに。
「そっ… そんな規定もうないよ! 前例がないだけで… 」
あはは、くすくす、ひひひひ、ひははは、はははははははは。
悪意が混じった笑い声の中、緑谷くんは席を立ち、必死に反抗した。
そんな勇気、あたしには持ち合わせていない。
「こらデク!!! 」
すぐ近くで、怒鳴り声が聞こえた。
爆豪さんだ。
BOOOM、と、爆発したそれで緑谷くんの机を殴る。
その衝撃で、緑谷くんは椅子ごと吹っ飛ぶ。
床に手を付け、後ろに下がる緑谷くんを睨み付ける爆豪さんの表情は、完全に敵のそれと同じだった。
「“没個性”どころか“無個性”のてめェがあ〜」
「何で俺と同じ土俵に立てるんだ!!? 」
泣き出したくなる。声を上げて、逃げ出したくなる。
「待っ…違う 待ってかっちゃん」
冷や汗を垂らしながら連ねる言葉、それを否定するように立つ煙。
そして、緑谷くんを無視するようにあたしの方へと向かって来る足音。
おそるおそる顔を上げると、大きく目を吊り上げた爆豪さんがいた。
「おい麗日ァ」
その声に、あたしは静かに戦慄した。
「何でてめェも受けんだよ、あﾞぁ!!!??」
ひっ、と小さく悲鳴を上げる。
それが爆豪さんの神経を逆撫でしたのか、爆豪さんはあたしの机を蹴る。
あたしは、緑谷くんと同じように、衝撃で後ろに下がる。
緑谷くんの横に転がったあたしを見て、クラスの皆は爆豪さんを止めようとした。
「うｯ、麗日さんっ!! 」
そう言って、緑谷くんはあたしを心配する。
ちょっと、この空気、嬉しいかも知れない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2208人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rai - 𝓡𝓲𝓷さん» はい！大丈夫ですよ！ (2023年4月9日 22時) (
レス) @page43 id: 6a1f0a5309 (このIDを非表示/違反報告)
𝓡𝓲𝓷 - Raiさん» Raiさん！副団長入らせていただきます！よろしいでしょうか？ (2023年4月9日 22時) (レス) id: aff6f0444c (このIDを非表示/違反報告)
Rai - 誰か！夢主ちゃんのことを守る団に入る方いませんか？！今は団長私ですが！副団長と書記と会計を募集しています！ (2023年4月9日 19時) (レス) @page43 id: 6a1f0a5309 (このIDを非表示/違反報告)
眠夢_(プロフ) - んんんん！！好きです！！すっごい面白かったです！！更新楽しみにして待ってます………… (2021年8月19日 14時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - んんん更新停止、、つらい (2020年8月4日 14時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯵娘 x他1人 | 作成日時：2017年10月18日 20時
