第百十三話『避ケラレナイ』 ページ2
『……首領、僕は如何すればいいんでしょうか』
森鴎外の寝室の護衛担当になった
あのフョードル・ドストエフスキーと話した後、一目散に本部へと戻った
『……済みません、僕の判断不足です。あの木偶とも連絡が取れないし……それ程に彼の人は重症なんでしょうか』
中「芥川」
『のあっ』
扉が開いて中也が顔を出す
険しい顔で紙を握り締めて立っている
『中原幹部?』
中「此処は姐さんに任せる。俺等は探偵社のいる病院に襲撃に行くぞ」
『……探偵社に、襲撃』
中「ああ……探偵社の社長を……殺す」
中也の瞳が一瞬揺らいだが直ぐに芥川を真っ直ぐ見つめる
『御意。すぐ支度をします』
────福沢殿を殺す
いつかは、そのような運命になるとは思っていた。でもこんなにも早く探偵社と戦うだなんて思ってもみなかった
『(ついこの間、敦と共闘したのにも関わらず……)』
停戦中だったのに、何故彼等と……
『……否、駄目だ。慈悲などしない。必ずや首領を護る』
黒い外套を靡かせて樋口の用意した車へと乗り込む
目的の場所まで無言で向かう
『(……ああ、因縁だな)』
見えて来た病院を見つめながら芥川は一つ咳をした
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『樋口、質問だ』
樋「はい!何でしょう、先輩!」
『探偵社の全主力が病室を防衛していると報告が入った』
樋「なっ!?で、では早く其方に」
『普通、するか?初めから総力戦を』
言葉を詰まらせる樋口
他の黒服達は中也の指示により病室前へと走っていく
『……樋口、お前は先に行ってろ』
樋「せ、先輩は!?」
『僕は少し遠回りしてから行く。案ずるな、すぐ戻る』
躊躇している樋口に、行けと一喝入れると渋々走り出した
そう……探偵社が、乱歩さんがこんな無意味なことをするわけが無い
『僕ならば……』
裏に回って誰もいない場所から福沢が居るであろう病室の窓を見つめる
『……誰だ』
静かに振り返ると木陰から誰かが現れた
その人物を見て芥川は目を見開く
『……人虎』
敦「……芥川、今回は見逃してくれないか」
真っ直ぐに立ち険しい顔の敦。しかし、目はぎらりと光り意志が固い
芥川は暫く黙っていたがやがて口角を上げた
『そんな幻像で僕を騙すなど百年早い』
?「グアッ!?」
羅生門が芥川の背後にいた本物の敦を貫く
目の前に立っていた敦は消えてなくなった
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時