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第××話『抜ケ出セナイ“弐”』 ページ37

将来の夢───




あるにはあるが、それは“夢”と語ってはならない。
何故なら世界をも変えてしまう壮大なことなのだから





「……お前は何もかも溜め込みすぎだ。ふとした瞬間に辛そうな顔をする」




『疲れているだけだ。それよりお前の夢が聞きたいのだが』





話を逸らし彼を見つめる
彼は酒を少し含んで遠くを見ながらぽそりと呟く





「俺は……作家になりたい」




『いい夢じゃないか……夢で終わらせたくないな』




「ああ。できれば、海の見えるに部屋で小説を書きたい」




『海か、そんな家を建てたら招待してくれ』




「ああ。お前を一番に招待する」





マフィアが作家になるなんて無理だとは思わない
自分だってこの街を、世界を守ると誓ったのだ





すると入口の方でカランっと音が鳴る
視線を其方に向けると包帯を巻いた男と丸眼鏡をかけた男が此方に歩いてきていた





太「二人だけで逢引かい?いただけないなぁ」




坂「……太宰君、嫉妬ですか?」




太「だって芥川君が」




『ゴホッ、では僕は帰ります』




太「えっ?ちょっ、何で!?帰らないで!」





立ち上がる彼女を慌てて止める太宰
しかし芥川は聞き耳を持たず済ました顔でお金を置き、歩き出す





太「ええぇぇ…Aちゃあん」




『だから名前を呼ぶなと云ってるだろう』




太「うわぁ、その反抗期いつなおるの?」




坂「反抗期というか、嫌われているだけなんじゃ……」




太「……え」




『それでは失礼します』





ポカーンと立ち尽くす太宰。
彼女は彼等に一礼をして足を進める





「また来い、芥川」





後ろから優しくも暖かい声が掛かる
彼女は赤髪の彼の瞳を見て微笑んだ





『勿論だ────織田作』





そこで目が覚めた(・・・・・)





***





『……夢、か』





机に伏せたまま眠っていたらしい。当たりを見渡すと書類が散乱していた





『……織田……作』





ポソリと呟いてまた顔を伏せる
また彼に会いたい。あれは嘘だと、夢だったと誰か云ってくれ




『まだ……僕は』





あの頃から抜け出せない



end.

第××話『アノ日ノ記憶“壱”』→←第××話『抜ケ出セナイ“壱”』



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らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時

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