第九十一話『消シタイダケ』 ページ11
男の名前は───桂正作
国木田と因縁が有るらしいが僕を巻き込まないで欲しいと切に願う
国「二年前、違法爆薬を精製し校舎を爆破しようとして俺に逮捕された」
その復讐に罠を張って国木田を呼び寄せたらしい
桂「復讐?違う僕は唯、消したいだけです。貴方の言葉を」
捕まった桂に国木田は何度も理想を云った
「逆境に折れるな」、「強くあれ」、「己を律し正しきを為せ」
……国木田らしい言葉だ
────ゴッ!
国「がっ……」
『国木田……っ!』
桂「“強くあれ”?何故そんな言葉が云える?」
『……っ!』
────ガスッ!
……ああ、まるで此奴は
桂「弱くて弱すぎるから犯罪に走るしかないような人間を!土足で蹴り落とすような言葉を何故云える!?」
────バキッ!
……昔の私とそっくりじゃないか
桂「弱い人間が望んで弱いと思うのか!」
────バゴン!
文「国木田ぁっ!」
文の声でパイプで国木田を殴っていた桂の手が止まる
あんなに思いっきり殴られたら絶対に私の意識は飛ぶだろう
桂「設置した爆弾の上を列車が通るまで約三分。起爆停止信号は此処からしか送れません
貴方は爆弾を阻止できず、何百人も死なせる。その瞬間、貴方は己の理想も探偵社員としての矜持も失うのです」
何も映してない瞳で此方を見据える桂
彼の手に持っているパイプから血がピチャと滴り落ちる
『……』
国「……お前の云う通りだ。八十九頁を開いてみろ」
桂は云われた通りパラッとその頁を捲る
その瞬間、黒い物体───音響手榴弾が現れた
桂「遠隔で具現化を……!」
驚いところでもう遅い
国木田と芥川は一斉に飛び出す
ゴォォォォォォオオオオオオオオオオオォォォォ!!
閃光と共に耳を劈くような音が響き渡る
砂埃が晴れたそこには、桂を取り押さえている国木田と桂の頭に銃口を押し付ける芥川の姿があった
国「まだ銃を隠し持っていたか」
『この位の仕込みは当然だ。それにしても遠隔とは……流石だな、国木田』
国「……信念だけでは理想は貫けん。昔より俺の異能も進歩している」
国木田は桂の腕を拘束し文の元へ駆けつける
芥川は桂を引っ張り柱に投げつけ羅生門を出す
桂「なっ……異能!?」
『僕の異能は“纏う服を黒獣に変化させる”。外套が無くてもワンピースでなんとかなるんだ』
そう云ってニヤリと笑った
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らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時