第百六十五話『君ジャアルマイシ』 ページ8
半袖短パン、帽子を被り、右頬にガーゼを張っている少年がポートマフィアの周りを歩いていた
この噂はトレーニングを始めた初日に出回って森の耳にまで届いていた
……ということは勿論
森「珍しいね、君が自ら此処へ来るなんて」
太「彼女を如何するつもりですか」
森「彼女の望み通り強くするつもりだよ」
太「……彼の子は私の……部下だ」
太宰はポソリと呟く
それは森に聞こえたか判らない
森「彼女は私の出したトレーニングメニューを喜んで熟しているよ」
太「先日倒れたばかりなのにトレーニングですか。体調不良者をそんなに追い詰めていいんですか」
森「なに心配は要らない。最初は軽い運動だ、追い詰めてはいないよ」
────君じゃあるまいし
その言葉にカチンっときて不快感を露わにする太宰
その時だ、部屋の扉をノックする音が聞こえた
『首領、芥川です。報告に参りました』
森「……おや、来たようだね。入り給え」
森が返事をした数秒後、ゆっくりと扉が開く
顔を覗かせたのは右頬にガーゼを張っている半袖短パンの芥川
『首領、失礼します。トレーニングメニューのことで……』
ピシリと芥川が固まった。
顔は引き攣り、体は少し震えている
森「ご苦労、それでは太宰君。もう話は終わりだ」
君は帰れと云わんばかりに圧をかける森
それを感じ取ったが中々立ち去ろうとしない太宰
森と太宰を見て狼狽える芥川
森「まあ、いい。それで芥川君、メニューは凡て熟したかい?」
『は、はい。無理せず、自分のペースで休憩も取りながらやりました』
森「うん、十分だ。中也君との武術は?」
太「……は?中也?」
『こ、今回も受け身について教えてもらいました。明日は護身術を習う予定です』
森「よし、順調だね。今日もお疲れ様。エリスちゃんと遊ぶかい?」
芥川の背後からエリスが現れて彼女に抱き着いた
芥川は目を丸くして後ろを見て微笑んだ
森「エリスちゃん、芥川君を連れていつもの部屋で遊んでおいで」
エ「判ったわ!行きましょう、アクタガワ!」
『えっでも……』
芥川はチラッチラッと太宰を見ながらエリスに手を引かれ部屋を後にした
森「顔色も良く体調も優れていて本人の向上意欲もある。
それでも君は私の考案したトレーニングメニューは彼女の為ではないと云えるのかい」
太「………………失礼します」
そう一言云って太宰は部屋を出て行った
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時