漆黒の狗は黒の時代でも困っていたそうです5【文スト】【芥川成り代わり】

序章 ページ1

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────残酷デ悲惨ナ




『───銀！』



｢お…ね……ちゃ､ん……｣




血まみれの妹に抱きつく
その近くには息絶えている仲間達───







────悪魔ト漆黒ノ出会イ




｢いい月だね､君もそう思わないかい？｣




ぼんやりと呟き私に問うその男


──────ポートマフィア最年少幹部 太宰治───







────目覚メタ場所ハ




｢駄目じゃないか､ベッドから抜け出しちゃあ｣




後ろから冷たい声が響いた
驚いて振り返ると太宰治がいた




『銀は何処？』



｢あの子をお探しかい？安心し給え､無事だよ｣



『口で云われても説得力がない､会わせて』



｢そうだねえ､初対面の私を信じろだなんて
無理だろうからね……付いて来給え｣───







────銀トノ再会




｢ご飯も食べさせてもらって､たくさん寝たよ｣



『……善かったぁ､ありがとうございました……えーと』



｢私の名は尾崎紅葉
皆からは姐さんと呼ばれるのが多いのぉ｣───







────悪魔ノ笑顔




｢君はマフィアに向いている､思考も異能も｣



『来るな､悪魔』───







────貴方ヲ殺セナイ




｢賢い君なら判るだろう？｣




Aの伸ばした手を太宰が握る




｢私から逃げられないってね？｣───







これは芥川がポートマフィアに来た時の話


この日から芥川は男として生きていくと決めた


女だからと莫迦にされず強くある為に


異能力を磨いて大切なものを守る為に


変態包帯をギャフン！と云わせる為に





｢さあ､芥川ちゃん｡ポートマフィアへようこそ｣




決して楽ではない道のりだが強くなる為にはこの男に頼るしかないのだ




『……どうも､よろしく……お願いします』




眉間に皺を寄せ､負のオーラ全開の芥川に太宰は嬉しそうに口角を上げた






これは､ヨコハマの空がもっと青かった時の御話








少女は願ったこの世界の本当の幸福を




少年は嘆いたこの世界で生きる意味を






────これは､黒の時代より二年も前の記録である




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第百五十九話『タッタ二年シカナイ』→

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