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第××話『幕閉ジノ夜 “弐”』 ページ46

『はあ、太宰さん。今回は特別に家まで送ります』



太「え?いいのかい?ならAちゃん、お泊まりしよう」



『結構です』




太宰と共に中也を車の後部座席に投げやり
芥川は運転席、太宰は助手席に座る




『道案内お願いしますね』



太「はいはーい。それで?何故、烏龍茶だけ飲んでたの?」



『……運転しながら貴方と話したかったからです』



太「成程、素直で可愛い」



『……』




敢えて無視。

まあ、別に自分も酒を飲んで迎えは広津に頼めばよかったのだが、太宰と二人きり(中也は寝てるのでカウントしない)で少し話をしたかったのだ




太「それで、話って?」



『白鯨の事だ。ギリギリで端末を奪い、止めることが出来たが何故か落下した……何故だ?』



太「……“魔人”しか居ないだろう?大方、裏から白鯨の機関部制御を奪ったんだろうね」




本当にこの男は何でもお見通しなんだな、と改めて感心する




『……何故そう思うんですか』



太「私ならそうするからさ」




なんの感情も篭もっていない無機質な声に驚いて太宰の顔を見る
すると彼は判っていたのか此方を向いてニコリと笑い前を指さす




太「ほら、車を動かし給え。君が運転しながら話そうと云っただろう?」



『……ですね』




車を発進させる
暗い話になってしまった……そう思いながら重苦しい空気に耐えながら太宰が案内する道を進んで行く



太「あっ、そこの信号を左に曲がって」




左……その方向は確か、市街地から離れる道じゃ?
あれ?と思いながら口を開く




『……あの』



太「何だい?」



『左は明らかに違うと思いますが』



太「黙れ、私の云う通りに左に曲がれ」




いきなりのドス黒い声色に一瞬、肩を震わせる
なんなんだ。自分の思い通りにいかなかったら急に脅すな、糞青鯖




太「……今、私の悪口を腹の中で云っただろう?」



『真逆、悪口なら直接云いますよ。変態包帯糞悪魔』



太「わあ、凄い。久し振りに聞いたよ、その悪口」




もう相手をするのは疲れた……
という事で何を云われても全て無視



そして其の儘、案内をされて辿り着いたのは夜景が綺麗なスポット
穴場なのか人が居ない




『で?此処で機密情報を云え、という事ですか』



太「機密情報?何の事かな?」



『何処までも面倒臭い人だ』




ため息をついて車から出て夜景を見る
高台から見下ろす横浜の街はとても綺麗だった


.

第××話『幕閉ジノ夜 “参”』→←第××話『幕閉ジノ夜 “壱”』



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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時

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