第四十五話『黙ッテ寝テロ』 ページ5
‹ 福「確かに探偵社が組合の精鋭を挫けば、貴兄らは労せずして敵の力を殺げる」 ›
静かに地面に降りた中也は一台のカメラに向かった
‹ 福「三者鼎立の現状なればあわよくば探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る」 ›
中「だがお宅にも損はない、だろ?」
‹ 福「この話が本当にそれだけならばな」 ›
『……もうバレることですので云ってしまいましょう?』
中「判ってる……お前は黙って寝てろ、貧弱め」
敵地で寝れる莫迦は何処にいる!?
無言で中也の髪の毛を引っ張ると「潰すぞ」と脅されたので直ぐ様寝たフリをした芥川
‹ 福「探偵社が目の先の獲物に喜んで噛み付く野良犬だとでも思うのか?
敵に情報を与え操るは高等戦術だ。
この様な木理の粗い策で我等を操れると考えるならマフィアなど戦争する価値もない」 ›
ゾクッと芥川の背筋が凍った。福沢の声はあまりに冷たかったのだ
中「……敵の頭目から直々に挑発を賜るとは光栄だな」
‹ 福「何を隠している?」 ›
中「何も」
『嘘つけ』
中「手前は黙れ」
グっと少しだけ圧が掛かったような気がした
中也が芥川に異能を掛けたのだ
‹ 福「この件の裏でマフィアはどう動く?」 ›
中「動くまでもねえよ」
芥川は溜息を吐いてモゾモゾと中也の背中から下りる
中也は何も云わずにそっと芥川を下ろしてくれた
‹ 乱「やあ素敵帽子君、A。組合の御機嫌二人組に情報を渡したのは……素敵帽子君の方かい?」 ›
中「あ?……そうだが(素敵帽子……)」
『(サラッと名前呼ばれた……)』
‹ 乱「組合は僕達と同じように罠を疑った筈だ。しかし彼等は食いついた。余りに“餌”が魅力的だったからだ
────何で組合を釣った?」›
乱歩の声が低なる
芥川は白い外套を整えカメラを見据える
中「それは((『事務員だ』……おい!?お前が云うな!」
『探偵社の事務員、ナオミちゃんと春野さんを餌にした』
‹ 福「事務員を“餌”にしただと!?」 ›
中「俺が云う事を……まぁ、直ぐに避難すりゃ間に合う。その上組合はお宅等が動く事を知らねえ。楽勝だ」
ニヤリと笑う中也に対して芥川は顔を顰める
与謝野は眉を顰めた
与「つまりアンタらは事務員の居場所を探り出して組合に密告し、さらにそれを探偵社に密告
自分達は汗ひとつかかずに二つの敵を穴に落としたって訳かい」
黒い笑みで中也は云い放った
中「穴だと判っていても落ちずにはいられねえ。首領の言葉だ」
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第四十六話『矢ッ張リ、面白イ子』→←第四十四話『自分ヲ否定スンナ』
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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時