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第七十八話『確カメタ先ニ』 ページ38

静かな美術館
ある絵の前に二人の男が座っていた




太「広津さん、例の件助かったよ」



広「……太宰君の云う通り、私が樋口君に漏らす前に既に芥川君は乗り込んでいたがね」



太「ふふ、矢張りねぇ。思っていた通りだ」



広「しかしそうまでして芥川君と虎の少年を引き合わせた理由は何かね?」



太「確かめたかったからさ」




芥川の異能は中・後衛で真価を発揮する異能者
敦は速度とタフネス持つ前衛タイプだ




広「何時から此の状況を目指していた?」



太「敦君と最初に会った時から。しかし彼女はその前から知っていたようだけどね」




───未来の相棒を支えられるよう強くならねば




目を閉じ、彼女のあの時の顔を思い出す
何時もは真っ黒い瞳の癖に“相棒”と口にした瞬間、光の篭もった決意ある瞳になったあの表情




太「新しい世代の双黒(コンビ)が必要だ。間もなく来る“本当の災厄”に備える為にね」




此処から先は太宰も未だ判らない
しかし奴は既に動いている




『……“魔人”ですね』




コツッとヒールの音が室内に響く

黒いセミロング、眼鏡、白い外套、淡いピンクのワンピース、白いパンプスを履いた芥川は咳をしながら彼等に近づいた




太「Aちゃあん!会いたくて会いたくて胸がはち切れそうだったよ〜!」



『数時間前に会ったばかりであろう?其の儘、はち切れろ』




広津に、この莫迦が済みませんと頭を下げる




広「いえいえ……樋口君達が作った料理は美味しかったですか?」



『ああ、矢張り樋口は料理人が向いている。まあ、だからといってマフィアから追い出す気は更々ないが』



広「貴女は矢張り優しいですね」



『優しくはない、甘いだけだ……さて、太宰さん』



太「なあに?私の家に行く?」



『誰が行くか。与謝野女医に僕を売ったこと……まだ根に持ってますから』




太宰の頭に拳が入る
グエッと呻き声を上げて頭を抑える
芥川は可笑しくて口角が上がる




広「では私は先に戻っていますね」



『礼を云う、広津殿。ゆっくり休んでください』




ぺこりとお辞儀をして別れる
残った二人は無言で目を瞑る




『……彼奴が』




独り言のように言葉を漏らす
太宰は黙って彼女の手を引き隣に座らせた




『敦が僕にもっと頼れと云ったんです。生意気に』



太「それで君は?」



『少し頼りました。癪ですが』



太「それは良かった」




包帯の巻きついた腕が芥川の頭に伸びた


.

第七十九話『逃ゲズニ向キ合ウ』→←第七十七話『料理スキルガ高イ』



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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時

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