第六十八話『タッタ一言デ』 ページ28
太「鏡花ちゃん。人には向き不向きがある」
とある通信室
太宰はマッチ箱を片手で弄りながら語りかける
太「そして君には明らかな殺しの才能がある。だから君は探偵社員にはなれない。君はそう思っている」
先程から無言の鏡花
全てが合っているので何も云えない
太「全く莫迦々々しい」
鏡花は思わず顔を上げる
あんなにも悩んで迷っていたのに、たった一言で片付けられた気が……と顔を顰める
太「その考えが如何に根拠薄弱か一秒で証明して見せよう。鏡花ちゃん、君はその手で何人殺した?」
‹ 鏡「……35人」 ›
太「たかが35人くらい何だ?」
‹ 鏡「!」 ›
太「いいかい、鏡花ちゃん。君は探偵社の凡てを知らない。自分自身の凡ても知らない。
凡てを知ることは誰にも出来ない。それを可能性と云うんだ。」
目を閉じてゆっくりと云い聞かせる
太「君に
でも彼は今、その近くの空域で命を懸けて戦ってる。街を守る為にね」
‹ 鏡「……」 ›
太「そして君は……芥川君の気持ちも裏切るつもりなのかい?」
‹ 鏡「それ、は……」 ›
太「あの子は君に“生きろ”と云った。君を心配していた。
……Aちゃんの為にもやる事があるんじゃないのかい?成し遂げなければいけない事があるだろう?」
***
『甘く見るな、フィッツジェラルド!』
フ「ほう、まだまだ動けるようだな」
敦に“逃げろ”と目配せをするが顔を顰めながら首を横に振るだけ
『云うことも聞けぬ虎か……この阿呆がッ、羅生門!』
彼女はフィッツジェラルドと攻防を繰り返している
その間に何とか敦には逃げ、生き延びて欲しい
敦「芥川!!」
『……!?』
昇降機に乗り込んだ敦が片手を伸ばし焦りながら彼女急かす
『全く……原作と違い過ぎる。羅生門───“連門顎”』
幾つもの黒獣を出してフィッツジェラルドを吹っ飛ばす
そして手を伸ばす彼の元へ羅生門を使って走り出す
敦「早く!」
『判ってる!』
なんだかんだ云っても力強く芥川の手を握り引っ張ってくれる敦
それに目を細め安堵する芥川
『(……協力、か)』
芥川と敦を乗せた昇降機は上へとぐんぐん昇っていった
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第六十九話『護リタイモノ』→←第六十七話『何デオ前ハソンナニ』
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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時