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第六十七話『何デオ前ハソンナニ』 ページ27

フィッツジェラルドは淡々と語る


敦の酷い過去
思い出したくもない地獄の日々



そして院長が敦に暴力を振るった最後に放った言葉




フ「“実の両親が赤子の貴様に()た事に比べればこの程度暴力の内にも入らん”。」




思わず自身の顔が強ばる
幼少期から暴力を振るわれていた日々。自分では想像もつかない



その時だ。ガクンッと白鯨が揺れた




フ「速度が落ちて落下コースに入ったか。激突まであと十数分だな」



『……はぁ』




羅生門を出し、自分と敦のいる地面を抉る
其の儘、二人は重力に従って下へと落ちた




━━━━
━━





敦「おい何やってるんだ!?早く走れ!」



『判ったから引っ張るな!無駄に逃げ足が早い奴め!』



敦「五月蝿いな!?」




芥川の腕を掴み、引き摺るようにして引っ張る敦
彼女は迷惑そうに振り解こうと腕を振るが離れない




『もっと丁寧に扱え!あと僕は歳上だぞ!?敬え!貴様は学習能力がないのか!?』



敦「こんな処で何云ってんだよ!?彼奴に捕まりたいのか!」



『誰があんな頭に札束が詰まったような奴に捕まるか。まず彼奴に会ったら先刻の仕返しをしなくては』



敦「何だ?仕返し?」



『貴様には関係無い。ヘタレ野郎』




先程からの芥川の余計な最後の言葉に怒りを抑え込みながら走る
……かそろそろ限界だ。思わず思っていることを口走った




敦「お前に云われたくない!自分の使命のために何人の無関係の人を殺してるんだ!?」



『……僕が無関係な奴を殺すなど有り得ぬ。貴様は僕の何を知ってるんだ!?』




羅生門が敦の肩を突き刺す
その痛みで彼の腕が離れる




『“生きる許可”を貰おうと足掻いている奴が……僕を諭すなど百年早い』



敦「……ッ、何だ……と?」



『他者の為に血を吐いて戦えば誰かが認めるのか?
誰かが“生きてもいい”と云ってくれると思っているのか?』



敦「……そう思う事の何が悪い」



『……矢張り、お前はお前だな。何も変わってなどない。不快だ』




ドサリと地面に叩きつけられた敦は唸って芥川を見上げる




『お前には判るまい。僕の思い、気持ち……そして、覚悟を。
まあ、貴様に理解などされたくも無いがな』



敦「……何で独りで何もかもしようとする?何で誰にも頼らない?何でお前はそんなに」




ドゴォンッ!と近くの壁が破壊された
砂埃が舞う




フ「見つけた」




不敵な笑みのフィッツジェラルドが立っていた


.

第六十八話『タッタ一言デ』→←第六十六話『秘訣ナド聞キタクナイ』



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らしろ(プロフ) - シアトルさん» 優しいと思えば、意外と裏切られる芥川ちゃんでした(笑) (2018年9月7日 17時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
シアトル(プロフ) - 太宰さんは相変わらずクソであった…でめたし、でめたし…? (2018年9月7日 0時) (レス) id: 93e9cd7354 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 埴輪型竹輪さん» そのまさか……かも?しれないです(笑)ご期待ください! (2018年9月3日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
埴輪型竹輪(プロフ) - え......まさかあの方と関係が...! (2018年9月3日 22時) (レス) id: 4f1c00f9fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - 鈴さん» まさか……!です(笑)、次にご期待ください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2018年7月3日 21時

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