検索窓
今日:9 hit、昨日:10 hit、合計:89,165 hit

第三十五話【天才ではなく阿呆】 ページ36

━━━━━━
━━━




中島敦side




────次の日の朝





「……ん」




頭を撫でられている感覚がして目を覚ます。
まず視線の先にあったのは少し大人びた少女の顔




『やあ、敦君。おはよーう!』



「……えっ。えぇぇぇ!?」




飛び退いて背中を壁に強打したが今はそれどころじゃない。
何故この少女は目の前にいた?
ってあれ?此処は?朝の喇叭は?……あれ?




『随分混乱しているようだね。取り敢えず、そこの服を着てね。
私は外で待ってるから』




有無を云わさずに少女……中里Aは出て行った。




「えっ……と、こんな綺麗な服を着ていいのだろうか」




白いシャツ、黒いネクタイ、サスペンダー付きのズボン
……なんか地味に長いベルト
あたふたしながら着ていた時だ。枕元にあった携帯が鳴った




「ええっ!?どっどの釦を押せば……」




適当に釦を押せば可愛らしい声が聞こえた




『もしもし、敦君。 実は今日は君の為にお仕事を斡旋しようと思うんだ〜』



「えっ?いいんですか!」



『勿論。こんなに優しい少年を放っておくのは胸が痛むもん』



「あ、ありがとうございます!」




なんて優しい人なんだ!と思いながら身支度を整え
素早く彼女と合流して街へ繰り出した




中島敦 side out




***





あと少しで探偵社に着くという時だ
前から見知った二人が歩いてくる




「いた」



「こんな所におったか!ナマケモノ!」



『国木田君と───織田作!おっはよ〜う!』





手を振って彼等の名前を呼ぶ。
相変わらず国木田君は目がつり上がってる。





『ふふっ』



「どうしました?」



『───なんでもないよ。なんか国木田君達、慌ててるね〜』





急いで彼等と合流して、敦君と織田作は自己紹介をした。
いやぁ、この二人は波長が合いそうだね。




「おい中里!そんなことしてる場合じゃない!」



『なあに?国木田君〜どうしたっていうのさ』



「探偵社に爆弾魔が立て篭ったんだ」



「ば、爆弾魔ですか!?」



『それは大変だ!
こうなったら天才的頭脳を持ったこの私が対応しなければ!』



「何が天才だ、ど阿呆」



『国木田君、シャラップ』




辛辣な突っ込みをいれた国木田君を睨んで敦君の手を引く。




『じゃあ敦君、行こうか!
もし君が爆弾魔を撃退したら将来はめっちゃ明るいかもよ!』



「え……えぇぇぇ……」




顔を顰めた彼を無理矢理引っ張ったのだった。


.

第三十六話【爆弾魔立て篭り事件】→←第三十四話【月夜の街】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。